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2012年9月 8日 (土)

ネットとパリの書店

今回のパリで初めての体験は、ネットで注文して実際に本屋を訪ねるというもの。かつてはパリに行くたびに映画専門の数軒の本屋に立ち寄って、長い時間を過ごしたものだ。日本にはほとんど存在しない映画専門の書店という空間の中で、仏語と英語を中心に世界中の言語で書かれた本を眺めるのは本当に楽しかった。

ある時期から仕事が忙しくなりすぎて、パリに行ってもその習慣がなくなってしまった。最近になって大学の教師になって「論文のようなもの」を書かねばならず、再び映画の本を買うようになった。最初はアマゾンのマーケット・プレイスで買っていたが、最近はwww.livre-rare-book.comというサイトをよく使う。

これは「日本の古本屋」というサイトと同じで、古書店をつないで在庫検索ができるもので、同じ本でも書店ごとに値段が違う。前払いか、送料はいくらかなどはすべて書店との直接交渉になる。今回は1960年代の仏語圏の日本映画関係文献を探していて、1964年にVe-Hoというベトナム人が仏語で書いた溝口健二の研究本を手に入れたくなった。おそらく溝口について外国語で書かれた最初の本だ。

サイトで本を探すと、一番安いのが12ユーロで売っていたEmmanuel lhermitteというパリの書店。8月初めにサイトを通じて書店にメールが送られたが、ようやく2、3日後に「現在バカンス中のため、9月初旬に送付します。送料は5ユーロくらいでしょう。但しクレジットカードは不可で銀行振り込み」」との返事が来た。

銀行振込手数料だけで5000円もかかるので「9月にパリに行くから直接買う」と返事すると、「それは願ってもない」という返事。火曜と木曜しか空いていないという書店で、ようやく時間を見つけて行ってみた。

映画専門の書店にありがちな古道具屋のような場所を想像していたら、何と画廊を兼ねているエレガントな空間だった。

たった1000円程度の買物だが、書店の主人は日本から来てくれたことが嬉しいらしく、ひとしきり日本映画の話をして別れた。今後は直接メールを寄越せば、いろいろ探してくれるとのこと。ネットを通じてこんな人間的な関係ができるなら、悪くない。

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