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2012年9月20日 (木)

ウディ・アレンのドキュメンタリーは抜群におもしろい

11月10日に公開されるウディ・アレンをめぐるドキュメンタリー映画『映画と恋とウディ・アレン』が抜群におもしろかった。彼がどのようにして監督になり、何をめざして作っているかを、2時間近く作品ごとにたっぷり見せてくれる。

彼が高校生の時から、新聞にジョークを書くライターとして出発したとは知らなかった。それから次第に舞台に登り、さらにテレビに出たりしていた時、映画の脚本を任される。ところが彼も出た映画『何かいいことないか子猫チャン』(65)はプロデューサーの手で勝手に変えられてしまい、アレンはその後自分自身で監督をするようになる。

そして『泥棒野郎』(69)からほぼ毎年のように映画を作る彼を、映画は丹念に追う。実際の映画を見せながら出演者のインタビューを挟み、あるいは当時のテレビ・インタビューを入れる。『アニー・ホール』、『インテリア』、『マンハッタン』など、それぞれがどのように作られたかよくわかる。

ダイアン・キートンとの出会いや、ミア・ファローとの結婚、そして養子の韓国系女性スン・イーとのスキャンダルに至るまで、映画は全部見せてくれる。私はアレンがこの女性と結婚し、今も一緒に住んでいるとは知らなかった。「カンヌは馬鹿げていて行きたくないが、妻や子供が喜ぶので」という言い訳がおかしかった。

時おりもらす本音がおもしろい。アレンは「数量説」を信じている、たくさん映画を作ればたまにはは傑作が出るのではと考えているという。それから編集はきつい作業で逃げ出したいとも。興行収入の新記録を立てたいが自分には無理だろうというのもおかしい。その後『ミッドナイト・イン・パリ』が1億6千ドル(だったかな)のヒット。彼としては最大だろう。

最後に、人生の夢で実現しなかったものはないのに、なぜか人生の落伍者のような気がするのはなぜかなあ、と嘆くのもおかしかった。

個人的に同時代の封切りでアレンを見たのは、『カメレオンマン』(83)だと思う。大笑いした記憶がある。それから遡って初期のコメディや70年代の作品をオールナイトで見た。『カイロの紫のバラ』(85)はカンヌで見た。それからは見たり見なかったり。2000年の『おいしい生活』あたりからは全部見ているはずだ。最近は、新作のたびになぜか見たくなる。

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