「はあー?」への怒り
「読売新聞」金曜夕刊の斎藤美奈子による「名作うしろ読み」がおもしろい、と先日ここに書いたが、実は同じ面の「いやはや語辞典」も、「その通り!」と声を挙げたくなる時がある。昨日は作家の井上荒野氏による「はあー?」。
大学で教えていると、学生の言葉遣いに時々腹が立つ。一番嫌なのが、この「はあー?」。さすがにこちらは教師なので正面から大きな動作で言われることはないが、時々「はぁ」と小さく言われる。いわゆる空返事の「はぁ」と違うのは、語尾をちょっと上げて、目を少し顰めるところ。
これまであまり意識しなかったけど、井上荒野氏の文章を読んで納得した。見出しに「軽く馬鹿にする無責任さ」とある。井上氏はこの言葉を使われると、「私の中ではその人間の評価が五割方下がる」と言う。
「答えを求めたり促したりするのではなく、むしろ遮断する響きがある。そうして非常にばかにされている感じがする。実際のところ、相手に向かって『はあー?』を発する者が何よりもあらわしたいのは、『私はあなたをばかだと思っている』という気分だろう」
そうか、それで私が学生にその言葉を使われると頭にくるわけである。私は学生に課題で文章を書かせる時は、たっぷり赤で直しを入れて返却する。そして「大人に通用する言葉」で書くように言う。文章ばかりでなく、話し言葉も注意した方がいいのかも。
しかし考えてみたら、馬鹿にされる教師というのは、元々は教師側に非があるのかもしれない。学生が尊敬する教師なら「はあー?」はないだろうな。だけど……。
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