新聞は大丈夫か:中日新聞
大学の研究室にいると、知らない人から突然電話がかかってくることがある。一番多いのはテレビの制作会社で、クイズ番組を企画中だが、簡単に説明してくれないかという類の電話だ。「映画はいつカラーになったか」とか。
向こうもダメもとでやみくもにかけてくるから、こちらもテキトーに対応する。「時間がない」「簡単に言えない」云々。ところが先日珍しく、知らない新聞記者から電話がかかってきた。大学の代表電話にかけたようで、たまたま研究室にいた私に電話が回ってきた。「中日新聞のAと申しますが、『最強のふたり』がなぜこんなにヒットしているか説明してください」。
まともな新聞記者なら映画にくわしくなくても、現代フランス映画の専門家なんてネットで調べて数名出てくるはずだ。だから代表電話にかけてくるようないい加減な記者に答える必要はないと思ったが、偶然このテーマは個人的に「ちょっと語りたい」ものだったので、依頼を受けることにした。
最近のフランス映画の傾向から滔々と15分ほど話す私に記者はほとんどついていけない感じだったが、終わると「ありがとうございました」と切ろうとした。こちらは慌てて、もしコメントとして使う場合は、メールでその部分だけ送るよう依頼した。夕方6時頃、そのコメントが送られてきていた。わかりやすくなり過ぎていたので、同じくらいの長さで書き直して送った。それから掲載日も教えてくれと書いた。
すると8時頃メールが来て、「出稿した後なので、デスクに希望は伝えたが、直るかはわからない」という返事。夜8時で降版はありえない、と思ったが、その後に静岡版に明日載ると書いてあったので、地域版ならまあいいかという気分になって放っておいた。県版なら最初に言うべきだし、掲載紙は送るようにとだけ伝えた。
2日後、送られてきた掲載紙を見ると、私のコメントは全く直っていなかった。封筒に新聞が一部入っているだけで、謝りの手紙も何もない。県版だし、別に全く間違いではないので放っておくことにしたが、記者にしてもデスクにしてもとんでもない輩だ。大丈夫か、中日新聞。文句を言っても時間の無駄だろうな。
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