憂鬱な読書『となりの闇社会』
最近読んだ本で、憂鬱な気分になったのが、一橋文哉著の新書『となりの闇社会』。私はどうもヤクザとか暴力団に妙に興味があって(そういえば父親もそうだった)、その関係の本が好きだ。これは暴力排除条例以降、ヤクザがどう変わったかを書いた本。
まずぞくっとしたのは、通販へのクレーム。けがをしたとかのクレームをつけて何時間もねばり、お金で解決する。前の職場で通販をやっていた時の嫌な思い出が蘇った。
「ヘッドハンティング」ならぬ「ヘッドカッティング」なる仕事もあるそうだ。電話をかけて、架空の好条件の転職話を持ちかけ、本人が会社に辞表を出すと、連絡を絶つ。もちろん会社からの依頼で、闇社会が受け持つ。これなぞは、前の職場の時なら私も引っかかりそうだ。
リサイクルと称しての違法投棄の章は、何ともリアル。「地上げ屋」を使って、安く土地を仕入れ、「穴屋」「土屋」を使って整備し、「一発屋」を使って捨て逃げをする。いくつもの名義を使っているので、絶対につかまらない。
不法投棄の次のターゲットは、福島の放射性瓦礫らしい。既に事故直後から闇社会は多くの日雇い孫請け作業員を送り込んでいるが、既に福島県境に放射能瓦礫の違法投棄場所が確保され、着々と進んでいるという。
被災地では、インチキリフォームや、怪しげな放射能除去装置の販売、転居地を紹介するといいながら身ぐるみ剥いでしまう、といった詐欺が後を絶たない。
大阪の生活保護詐欺の話もすごい。金に困った人々にタコ部屋を用意して、生活保護をピンハネする。さらに闇社会につながる診療所に送って、生活保護者に代わって自治体が補てんする治療費を巻き上げる。
途中で嫌な気分になって、斜め読みしてしまった。
憂鬱と言えば、東京国際映画祭が始まるのも気が重い。さきほどID上映のネット予約をしたが、毎朝7時過ぎにこれをやるかと思うと、嫌になる。もっと大きな会場でやればいいのに。今年はWEBRONZAでこの映画祭を正面から批判しているので(第3回を一昨日書いた)、会場にも行きにくいし。
若松孝二監督が亡くなられたニュースにも気が滅入った。今年の正月明けにあることでお世話になったのに、その後『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』を批判した文章を書いたままになっていた。ごめんなさい。
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