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2012年11月 4日 (日)

「この国は物語にあふれている」か

最近、六本木に行くことが多い。東京国際映画祭もそうだったが、「シネマート六本木」が半分試写室と化していて、日によっては3つのスクリーンを試写に使っている。かつて試写と言えば銀座・新橋だったが、京橋が増えたと思ったら、今やアスミックやフォックスも含む六本木が中心になった。

美術館も森美術館、国立新美術館、サントリー美術館と今世紀になって突然3つもできた。だからそれらの美術館には映画の試写の前後に行くことが多くなった。ここまでは前置き。

最近おもしろかったのは、サントリー美術館の「御伽草子」展。「この国は物語にあふれている」というキャッチフレーズが気になっていた。映画は絵画に比べて何倍も物語性が強いが、日本の絵画を見ていると、何だか映画みたいに「物語」が多いと思っていた。

この展覧会は、南北朝時代の14世紀から江戸時代中期の17世紀後半までのお伽草子を90点近く並べたもので見ごたえがある。「一寸法師」「浦島太郎」「酒呑童子」といったテーマが限りなく繰り返されている。

どれもたわいない。展覧会の最初にあった《浦嶋明神縁起絵巻》は、いわゆる「浦島太郎」。浦嶋子が亀を釣り上げると美女に代わり、女を故郷まで送ってゆくとそこは蓬莱宮。美女に囲まれて舞楽を楽しみ、玉手箱を手に帰る。箱を開けると老人になる。死後そこに祠が立てられて祭礼が行われる。

こんな話が絵巻の右から左へと続いてゆく。これは本当に映画というかアニメだ。そのうえ、「福富草子」の脱糞のシーンや「酒呑童子」が鬼の姿に変身して首を斬られるシーンなど、エログロがいっぱいだ。「化物草子」なんて、ほとんどホラー映画。「百鬼夜行絵巻」を見ていると、「ゲゲゲの鬼太郎」の「夜は墓場で運動会、楽しいな、楽しいな」を歌いたくなる。

この展覧会は今日までだが、私が行った数日前もそれなりに混んでいた。そのうえ、みんなガラス窓にへばりつて物語を追っている。私は疲れて途中で出て、カタログを買った。家に帰ってニコニコしながら眺めている。

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