« 80歳を過ぎた監督の映画 | トップページ | カルト集団のサスペンス映画とは »

2012年11月 2日 (金)

小説家やアーティストの映画はおもしろいか

小説家や画家など、他の分野の人間が映画を監督すると、うまくいかないことが多い。古くは石原慎太郎の映画があったし、池田満寿夫や村上龍の映画もあった。最近だと映像を使う現代美術の人気者、ピピロッティ・リストの「ペパーミンタ」もいま一つだった。

1月公開の『ザ・フーチャー』もその系譜だ。監督・主演のミランダ・ジュライは、既に小説家やパフォーマーとして有名らしい(私は知らなかった)。GWの「イメージ・フォーラム・フェスティバル」の時点では公開が決まっておらず、2回の上映は満員で入れなかった人が続出したという話を若い友人から聞いたので、見てみようと思った。

結果から言うと、普通の映画好きにはあまりピンとこないが、アート好き、小説好きの人々にはおもしろいだろう、という微妙な線だ。同居している35歳のカップルが、ある時、この1ヶ月で何かを変えようと思う。それぞれ仕事をやめて、男は森を売るエコロジー活動を始め、女は30日間30のダンスを録画しようとする。

結局、何も変わらない。しかし、女は偶然に知り合った子持ちの中年男と同居を始める。すべてが偶然の出会いに導かれるような物語のナレーションは、彼らが拾った犬のパウパウだ。

偶然の積み重ねだからストーリーの引きは弱いし、感情的には誰にも共感できない。とりわけ監督が演じる主人公の不可解な感情そのものがメインテーマだから、なかなか入り込めない。そのテーマは彼女の妙に魅力的な顔や不思議な体の動かし方やTシャツを被ったダンスにも表れる。人によっては、彼女の存在そのものがトゲのようにひっかかるだろう。

私が気になったのは、監督・主演のナルシシズムの部分。それを快く思うかどうかで評価は分かれるかもしれない。

|

« 80歳を過ぎた監督の映画 | トップページ | カルト集団のサスペンス映画とは »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/56024193

この記事へのトラックバック一覧です: 小説家やアーティストの映画はおもしろいか:

« 80歳を過ぎた監督の映画 | トップページ | カルト集団のサスペンス映画とは »