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2012年11月29日 (木)

相変わらずの東京フィルメックス:その(3)

昨日はコンペの作品を1本見た。正確に言うと、体調が悪くて1本が限度だった。日曜夜に初夏のオーストラリアから帰って、月曜朝から授業をして、夕方に2本見た。すると途中から寒気がしてきた。

オーストラリアとは時差がほとんどないので大丈夫なつもりだったが、いかんせん昼間は25度くらいある。東京に戻ったら、行く前は昼間15度くらいあったのが、10度という。着込んではいるものの、年のせいか体の調整がつかなかったかも。そして翌日も授業の後に2本。これで確実に病気になった。

昨日は1本しか見ないのに、またまたイスラエル映画で、シャロン・バルズィヴという監督の長編第一作『514号室』。イスラエル軍の女性捜査官が、アラブ人への過剰な暴行で訴えられた司令官を尋問する。その合間に、同じ部屋で上司との情事もなされる。次第に女性の隠された部分が現れてくる。

手持ちカメラの長回しショットで、怒鳴り合う登場人物たちをアップでとらえる。見ていると船酔いしそうなくらい、カメラはぶれる。新人としてはなかなかの映画だと思うが、私は途中から揺れるカメラと大きな声や騒音に疲れてしまった。

その次の回は招待作品でアモス・ギタイの『カルメル』。これ以上イスラエル映画を見たら、とりわけギタイを見たらもうもたないと思って、退散した。

家に帰って、なぜ病気になってまで、映画祭に通い続けるのか、考えてみた。若い頃は、日本の配給会社は儲かるものしか買わないから、映画祭は日本に来ない傑作を見る唯一の機会だと思っていた。

1980年代半ばから、これまで日本に来なかった映画も次々と公開されるようになった。タヴィアーニ兄弟、ロメール、キアロスタミ、アルモドバルなどなど。今はアート系の映画は少し難しい状況だが、それでも相当の難しい作品が公開される。

今回コンペを3本見て、公開されないのは当然だと思った。年に和洋合わせて700本も劇場公開している現在、映画祭まで追いかける必要があるのか、ちょっとわからなくなる。それでもまた習い性で行ってしまうだろうが。

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