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2012年12月19日 (水)

「東京チカラめし」に考える

今年、恐ろしいほどの勢いで増えたものに「東京チカラめし」のチェーンがある。私が勤める大学の最寄駅には両側にできて(後に1つは閉鎖)、昼時には列ができていることさえある。元祖「吉野屋」に「松屋」という2大チェーンに挑む第三極という感じだ。

そもそも「東京チカラめし」という店名が身も蓋もない。安いが元気が出てお腹一杯になるるぞ、という感じがそのまま出ている。それを大きな看板に書き、メニューも大きな写真をいくつも正面に掲げている。これに比べたら吉野屋の外装なんてずいぶん品がいい。

主力メニューは「焼き牛丼」。従来の「牛丼」と差別化するため、牛肉を煮るのではなく焼いて出すのが特徴という。毎日その前を通るうちに我慢ができなくなって、ある日とうとう入ってみた。

正直に言って、肉は硬く、味が濃すぎる。食べ終わったら胸焼けがして、夕方まで続いた。学生に聞くと、吉野屋よりウマいと言うから、私の舌も、いつの間にか高級になったのか。

そんなことを考えていたら、先週末の朝日新聞beで、作家の高橋源一郎が、「“ウマい”という感覚の遅さ」という文章を書いていた。「ウマい」という感覚には、時間がかかるという内容だ。働き始めて小金ができて高い店で懐石料理などを食べても、その良さはすぐにはわからない。長い時間をかけてそれがおいしくなり、たまに安い居酒屋に行くと瞬時にマズいと思う。

確かにしばらく前にパリに行った時、学生食堂(大学の外の街中にもある)を見つけて懐かしくて入ったが、ローストチキンは油がしつこくて、ほとんど食べられなかった経験がある。四半世紀前は、300円くらいでこんなにおいしいものが食べられるなんて、と感激したものだが。

先日、ふと思い立って20年ぶりくらいに「長崎ちゃんぽん リンガーハット」に入ってみた。かつて、ここのパリパリした細麺の皿うどんが大好物だった。実を言うと、今でもそこそこおいしかった。ソースは少しどぎついが、ビールを飲みながらのパリパリした食感は悪くない。私の舌はこの程度だろう。

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