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2012年12月14日 (金)

遠い革命の風景

恵比寿の東京都写真美術館は、木、金は夜8時まで空いている。遅めの飲み会の前に時間を過ごすのにぴったりの場所と時間だ。そこではいつも、白黒の昔の写真が見られるから。

先日行ったら、3階は北井一夫の「いつか見た風景」という個展。1960年代末の学生運動や米軍基地反対運動から70年代の成田闘争へと移ったと思ったら、その後は東北の田舎の風景だ。日本の経済成長を避けるように、田舎ばかりを追いかけている。

1990年代になると、もう日本には田舎がなくなったかのように、中国の風景が広がる。そして最後に大地震後の福島や宮城の風景。何とも言えない暗い気分になる。

学生運動の写真に、私が勤務する大学のキャンパス内の写真があった。靴やヘルメットなどを撮った無人の風景が多いが、今との違いに愕然とする。

そして地下の展示室では、「記録は可能か」という題で、いくつかのドキュメンタリー映像があった。ここでもなぜか、城之内元晴が撮った、私の大学で68年にあった大衆団交の映像があった。揺れに揺れるカメラが、怒る若者たちを追いかけていて、強く心に残った。

そして小川伸介の三里塚の映画。機動隊ともみ合う農村の人々の声が会場内に鳴り響いていた。そのほか会場には、金坂健二が60年代のアメリカで撮った写真や映像もあった。アングラ映画の文脈でいつも出てくるこの人物について、私はほとんど知らない。彼の事を悪く言う人が多いのは間違いないが。

その後に、2階で「この世界のわたしのどこか」という題の5人の若い(たぶん)女性写真家の作品を集めた展覧会を見た。どの写真家もそれなりに興味深いが、遠い革命の風景に酔ってしまった自分には、ピンと来なかった。

これらの展覧会は1月27日まで。その後には、あのおぞましい「恵比寿映像祭」がまた始まるようだ。

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