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2012年12月 6日 (木)

「アジア・パシフィック・アワード」に思う

先週の今頃はブリスベンにいたが、2日目の金曜の夜は「アジアン・パシフィック・スクリーン・アワード」APSAの授賞式に出た。実を言うとそんな賞があることも知らなかったが、国際会議の主催者が参加者を招待してくれたので、とにかく行った。

事前にBlack Tie or National Dressという指定があった。真夏のオーストラリナなのに、これはどの程度本気かと会議の主催者に聞くと、「オーストラリア人はイギリスの影響でフォーマルなお洒落をするのが好きなので」と言う。

結局本格的なBlack Tie、つまりタクシード一式を持っていない私は、わざわざ買うまでもないだろうとDarK Suit、つまり濃紺の上下に白シャツ、黒に近いタイに黒靴にした。行ってみると、オーストラリアの参加者の大半は規則を守っていたが、われらが国際会議の参加者たちはチャイナドレスからTシャツまで何でもありだった。

では、APSAとは何だったか。これは今年で6回目で、アジア、オセアニア、中東、アフリカの一部(エジプト)の全70ヶ国から、一番の映画を選ぶイベントだという。主体となっているのはもちろんオーストラリアの映画製作者連盟で、これに各国の映連が協力しているようだ。

主催者の挨拶で、これはアメリカのアカデミー賞、欧州のヨーロッパ映画賞に次ぐ名誉のある賞だとのこと。知らなかったぞ。それからなぜか坂本龍一が紹介され、本人が登場して『戦場のメリークリマス』をピアノで弾きはじめるではないか。

それから最優秀女優賞、男優賞、撮影賞、などが次々と発表される。日本からはアニメ賞の5つのノミネート作品のうち4本を占めた(『ももへの手紙』『おおかみこどもの雨と雪』『コクリコ坂から』『虹色のホタル』)が、あとは子供映画賞のノミネートに是枝監督の『奇跡』があるのみ。監督賞も作品賞も全くノミネートなし。

作品賞のノミネートには、韓国、イラン、ロシア、タイ=ギリシャ合作、中国の5本が選ばれているが、1本も知らない。結局最優秀作品賞はBeyond the Hill というタイ=ギリシャ合作映画が取った。ワケが分からない。

中盤で坂本教授はなぜか映画製作者連盟賞をもらい、今度は『ラストエンペラー』の曲をぽろぽろと弾いた。全部で2時間半、テレビの生中継が入り、何とも豪華で不可思議で退屈なローカルイベントだった。東京国際映画祭も外国から見たら、この程度かもしれない。

ちなみにアニメ賞は『ももへの手紙』が最優秀賞だったが、賞をもらいに出てきたのは白人だった。スタッフの一人とは言っていたけれど。

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