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2012年12月24日 (月)

やはりおもしろいティム・バートン

ティム・バートン監督の新作『フランケンウィニー』を見た。この監督の映画はすべて見たわけではないけれど、見た作品はどれもおもしろい。そして何か必ず一工夫あって、かつ映画愛に溢れている。『フランケンウィニー』もそうだった。

今回の工夫は、人形アニメ+白黒+3Dと凝りに凝っている。ちょうどスコセッシが3Dで映画初期のメリエスを蘇らせたように、バートンは3Dで白黒を撮るという時代錯誤な試みに挑戦する。

そのアナクロニズムが、内容にぴったりだ。1950年代を思わせるような、親子でセルロイドのメガネをかけて3D映画を楽しんでいた主人公ヴィクターは、野球をしているうちに、愛犬スパーキーを事故で亡くしてしまう。彼を偲んで生前に撮った8ミリを見ても悲しさは癒えず、理科の実験で学んだ雷を使って蘇らせる。

蘇ったスパーキーはつぎはぎだらけで、まるでフランケンシュタイン。そのうえ、両親が見ているテレビが『吸血鬼ドラキュラ』だし、日本人の友人トシアキが亀から生み出すのは、なんとガメラそっくり。あるいはプールから出てくる「シー・モンキー」はグレムリンだ。

ホラー映画、SF映画がテンコ盛りで出てくるうえに、舞台は人工的な郊外「ニュー・オランダ」。これまた『ET』など80年代以降のSFを思わせる。そもそもヴィクターの姓はフランケンシュタインだし、クラスメイトにはエルザ・ヴァン・ヘルシングとドラキュラ映画を思わせる名前も出てくるし。

お祭りの日にガメラをはじめとした怪獣たちが続々と登場し、それをヴィクターとスパーキーが何とか退治する。最初は悠長に映画史の記憶をたどっていた私も、いつの間にか声援を送っていた。ティム・バートン恐るべし。

日曜の夕方に日比谷のスカラ座で見たが、客の入りは1/4ほどで、私より若い人ばかりだった。

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» ガメラ:映画「フランケンウィニー」視聴記 2012/12/25 [ガメラ医師のBlog]
 前項「フランケンウィニー視聴記など /12/24 」に続く、 ディズニー最新作3D映画『フランケンウィニー』(ティム・バートン監督)にガメラが登場する件について。 23日更新分の鑑賞記や、ビックロ新宿東口店で23日まで開催されていた「フランケンウィニー アート展」会場の...... [続きを読む]

受信: 2012年12月25日 (火) 23時16分

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