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2013年1月

2013年1月31日 (木)

『海と大地』の描くシチリア

4月6日に公開されるイタリア映画『海と大陸』を見た。実は2011年のベネチアで見ていたが、あのシチリアの匂いを感じたくて、足を運んだ。監督のエマニュエレ・クリアレーゼはこの前に2本作っているが、どちらもイタリア映画祭で上映したので、私にとってはなじみが深い。



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2013年1月30日 (水)

ムンジウの現代性

何とも妙な映画を見た。3月16日に公開されるクリスティアン・ムンジウ監督の『汚れなき祈り』。このルーマニアの監督は『4カ月、3週と2日』(07)がカンヌのパルム・ドールを取って評判だったが、見ていなかった。この新作もカンヌの脚本賞と主演女優賞ということで期待して見に行った。

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2013年1月29日 (火)

ソーシャル時代の楽観主義

渡邉大輔著『イメージの進行形』を読んだ。「ソーシャル時代の映画と映像文化」という副題で、筆者は何と1982年生まれ。とにかく私はスマホもツイッターもやらないので、「ソーシャル○○」がさっぱりわからない。この本はそういった現象を映画史的に捉えていて、おもしろかった。

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2013年1月28日 (月)

日曜午後のバッハ3時間

日曜の午後、紀尾井ホールでバッハの「マタイ受難曲」を聞いた。静岡県の磐田市を中心に活動している磐田バッハ合唱団が、モーツァルト・アカデミー・トウキョウと組んだ演奏会で、知り合いの知り合いがチェロを弾いているというので、誘われた。

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2013年1月27日 (日)

1920年代ヨーロッパの美的映像

飯田橋の東京日仏学院に、ジャン・グレミヨンの『混血児ダイナ』を見に行った。「カイエ・デュ・シネマ週間」ということで、何と今年で第16回。冒頭の坂本安美さんの説明だと、やらなかった年もあったので、20年くらいやっているという。私は自宅から歩いて行けるので、毎回2、3本は見ている。

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2013年1月26日 (土)

他人事ではない映画『偽りなき者』

年を取ると人生経験が増えるので、映画を見て身につまされることが多くなる。だがこの映画は、見ていてとても他人事ではない気がして、本当にドキドキした。3月公開のデンマーク映画、トマス・ヴィンターベア監督の『偽りなき者』のことだ。

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2013年1月25日 (金)

ジュースの効用

最近、友人と会うと「ジュースは飲んでいますか」と言われることが多い。年賀状に、「昨年もっとも力を入れたのは、大学でもブログでも海外出張でもなく、朝のジュース作り…」と書いたからだ。作っているイラストまでいれた。

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2013年1月24日 (木)

大島渚のこと:その(3)

まだ戦メリのあのテーマ曲が頭の中をめぐっている。一昨日、大島監督の葬儀に行ったら、待ち時間で15分ほど聞かされたからだ。実を言うと、知り合いが多いので葬式はやたらに行くが(結婚式は原則として出ない)、テレビクルーが来るような有名人の葬儀に行ったのは初めて。

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2013年1月23日 (水)

韓国のパスタ

3月16日公開のイ・ユンギ監督『愛してる、愛してない』を試写で見た。井上荒野原作というのと、「第二のキム・ギドク」というキャッチに惹かれた。結果は、良いような、悪いような。

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2013年1月22日 (火)

大島渚のこと:その(2)

大島監督をめぐる追悼文のなかで一番気になったのは、「日経新聞」に吉田喜重監督が書いた「松竹ヌーベルバーグは虚妄」という言葉だった。当時この言葉を最初に使ったのは「週刊読売」だったと思うが、「私自身は不本意だった」と吉田監督は述べる。

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2013年1月21日 (月)

冷戦下のカンヌ

昨日書いた冷戦下の映画をめぐる国際的なポリティクスについて続けたい。米国映画輸出協会のエリック・ジョンストン会長は、1951年に黒澤明の『羅生門』がベネチアでグランプリを取って、各国で上映されたことを資本主義陣営にとってすばらしいことだ、と書いているという。

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2013年1月20日 (日)

「アジア太平洋映画祭」はアメリカの陰謀か

昨年末にある映画プロデューサーと食事をしていたら、作った作品が「アジア太平洋映画祭」に選ばれたので、急にマカオに行かなければならないと言う。この映画祭、知っているかと聞かれたので、それは昔からアジア各国の映連が集まってやっているものでしょう、と答えた。

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2013年1月19日 (土)

「自己啓発」の幻影

昔、映画ばかり見ていた時代に知りあった、自分より少し若い極めて優秀な男がいた。その後彼はビデオ会社に勤めていたはずだが、最近その消息を聞く機会があった。独立して「自己開発セミナー」をやっているという。何だそれは。

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2013年1月18日 (金)

大島渚のこと:その(1)

大島渚監督が亡くなって、3日たつ。15日の夜にそのニュースを聞いて思ったのは、生きている日本の監督で最も大きな存在だった、ということだ。何度か身近で会ったことがあるが、いつも派手なスーツが光り、明るい笑顔から放たれるオーラに圧倒された記憶ばかりがある。

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2013年1月17日 (木)

ハネケの計算

ミヒャエル・ハネケという監督は、いつも謎めいた映画を作る。『ピアニスト』(01)の中年女性ピアニストの倒錯的な愛も、『隠された記憶』(05)のブルジョア家庭に届くテープに始まるミステリーも、『白いリボン』(09)の白黒で描かれたドイツの田舎町の連続殺人も。

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2013年1月16日 (水)

アナーキーを突き進む大森立嗣

3月16日公開の大森立嗣の新作『ぼっちゃん』を見て驚いた。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の若者三人組の痛々しい旅から、『まほろ駅前多田便利軒』に至ってずいぶん美的に洗練されてきたと思ったら、今回はそれを敢えてぶち壊しにしている。

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2013年1月15日 (火)

クレジットカードに年会費を払うか

一昨日の朝日新聞beで、「大衆化が進むプラチナカード」という記事があって驚いた。ほかにもたぶん「アエラ」で同様の記事を読んだ気がする。「プラチナカード」は、会費が数千円から1万円のいわゆる「ゴールドカード」のさらに上のランクらしい。

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2013年1月14日 (月)

フランケンシュタインの原作を読む

正月休みに「ユニバーサル・モンスター・コレクション」(全8巻!)を買って、『フランケンシュタイン』(31)や『フランケンシュタインの花嫁』(35)などを見ていたら、その原作が簡単に手に入ることがわかった。読売新聞夕刊に斎藤美奈子氏が「名作うしろ読み」で紹介していた。

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2013年1月13日 (日)

フィンランドのガラス展が似合うミッドタウン

六本木のミッドタウンでサントリー美術館の『森と湖の国 フィンランド・デザイン』展を見た。デザイン展といっても、英語題がGlass Design from Finlandであるように、ガラス細工、とりわけコップが並んでいたが、これが妙に快かった。

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2013年1月12日 (土)

また、大震災の映画を見る

3月9日公開の篠崎誠監督『あれから』を見た。東京国際映画祭で見損ねて、気になっていた。漱石の「それから」みたいなシンプルな題名がいいなと、何も知らずに見に行ったら、「あれ」とは東北大震災のことだった。

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2013年1月11日 (金)

神山明さんの微苦笑

私はなぜか、2歳から10歳くらい年上で親しくさせてもらっている方々が多い。みんな尊敬している方々なので、友人というのはちょっと烏滸がましい。そんな一人の8つ上の彫刻家の神山明さんが、年末に急逝された。今朝の朝日新聞に載っていた。

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2013年1月10日 (木)

『アルマジロ』の見せる真実

昨日の『ロイヤル・アフェア』に続いて、偶然にまたデンマーク映画の試写を見た。今月19日公開の『アルマジロ』で、こちらは「アカデミック」とはほど遠い、戦場ドキュメンタリー。一昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に出ていたが、見逃していた。

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2013年1月 9日 (水)

アカデミックな映画

フランス語で「アカデミック」 academique と言われたら、悪い意味の場合が多い。とりわけアートや映画について語る場合は間違いない。「アカデミック」はもちろん「アカデミー的」ということだが、フランスでは「アカデミー」とはまず、「アカデミー・フランセーズ」のことだ。

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2013年1月 8日 (火)

孫崎享は信じられるか

私は読んだ本に影響を受けやすい。昨年末に読んだ本でいまだに心理的に引っ張っているのが、孫崎享著『戦後史の正体』。一言で言うと、日本の戦後の政治家は、アメリカに従うか逆らうかでその政治生命が決まったというもの。

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2013年1月 7日 (月)

いつからテレビを見ないか

正月の新聞はいつもうんざりすりほど厚く、内容がない。そう思いながらも今年も分厚い別刷りに目を通していると、あちこちでテレビの歴史が書かれていて、ちょっとおもしろかった。

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2013年1月 6日 (日)

『対岸の彼女』の30代女性

最近になって、どうも偏った生き方をしてきたと思う。テレビを見ずに新聞と本を読み、映画を見て、美術展に行く。そしてその知識を学生に語り、文章にする。これでは普通の人々の生活や生き方はわかるわけがない。

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2013年1月 5日 (土)

いまさら『キングコング』に驚く

この冬休みに見たDVDで一番驚いたのは、1933年のRKO映画『キングコング』。トーキーが始まってから出てきたSFやホラーのジャンルを追いかけて、ユニバーサルの『魔人ドラキュラ』(31)や『フランケンシュタイン』(31)を見ていたが、この映画には何回ものけぞった。

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2013年1月 4日 (金)

『おだやかな日常』の世界観

今年最初に映画館で見た映画は『おだやかな日常』。佐藤忠男さんや「毎日」の複数の記者が年末に「今年の3本」に挙げたこともあって、期待していた。ところが見ている時からどうも落ち着いて見られず、見終わって複雑な感想を持った。

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2013年1月 3日 (木)

正月に白隠

東急文化村で開かれている「白隠展」は、新年早々に見るのにぴったりの展覧会だ。この江戸時代の禅僧が描いた書画を見ると、何となく幸福感が満ちてくる。明らかにうまい絵もあるが、全体にヘタウマ感が漂っている。

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2013年1月 2日 (水)

神社に並ぶ人々

正月には、私も初もうでに行く。といっても、地元の小さな神社だ。ここ数年気がついたのは、参拝のために神社に人が列を作るようになったことだ。

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2013年1月 1日 (火)

大晦日の文芸坐

大晦日の夕方、思い立って池袋の新文芸坐に行った。なぜかというと、朝日の石飛記者が今年の映画ナンバー1は『終の信託』だと言ったからだ。とりあえず、スクリーンで見ておきたいと思った。

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