神社に並ぶ人々
正月には、私も初もうでに行く。といっても、地元の小さな神社だ。ここ数年気がついたのは、参拝のために神社に人が列を作るようになったことだ。
私は神楽坂に住んで15年ほどなるが、住み始めた頃、つまり90年代後半は、赤城神社も毘沙門天も、誰も列を作っていなかった。
思い思いに、正面から、右から左からやってきては、手を合わせたり、鐘をついたり、お賽銭を投げたり。そんな感じで待つ必要もなかった。その自然な無秩序が良かった。
これが少なくとも5年くらい前からは、みんな2列で整然と並ぶ。だから、お参りするのに30分なんて、ざらになった。みんなおしゃべりしながら、誰も文句を言うことなく並ぶ。年に一度だし、別にほかにすることはないのだから並べばいいのだが、その従順な感じがどうも嫌だ。
そんななかで最後まで無秩序を保っていたのが、早稲田の穴八幡宮だった。もともと角の丘のような場所にあり、登り口がいくつもあって、あちこちから登って、神社にたどり着くので列はできなかった。最近はもっぱら穴八幡に行っていたが、昨年行ったら、そこも正面入り口に向かって列ができていた。
しょうがないので、今年はもっと小さな神社に行った。北野天満宮と津久戸神社だ。こちらは参拝客が少なく、待つ必要もない。そのうえ北野天満宮ではお神酒とキーホルダーまでくれた。
参拝に並ぶのは、9.11以降なのか、あるいはリーマンショックからなのか、わからない。ただ日本にシネコンがどんどん広がり、コンビニとファミレスとファーストフードだけが流行る時代には、他人との無駄な接触や抵抗を避ける人間が増えてきたような気はする。
日本人は野性を無くしたのか。と嘆いていたら、コンビニで猛烈に駆け込んで来て、割り込みをしたおばさんがいた。私より年上だったが、やはり野蛮な人々は健在だ。
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