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2013年2月

2013年2月28日 (木)

わざと退屈な映画を作るレオス・カラックス

4月6日公開のレオス・カラックス監督『ホーリー・モーターズ』を見た。実は去年のパリで一度見ていたが、みんなが素晴らしいというので、そうだったっけ、ともう一度見る気になった。これが何と、先日ここで取りあげたクローネンバーグ監督の『コズモポリス』と瓜二つだ。

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2013年2月27日 (水)

『君と歩く世界』の描く激情

ジャック・オーディヤールは、人間のほとばしる激情をそのまま映像にする。『預言者』がそうだったが、見ていて肉体的に痛い。そのうえ、物語はわかりにくい。そんな彼の新作が、シャチの女性調教師が両足を失った話と聞いて、ちょっと心配した。

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2013年2月26日 (火)

『ハッシュパピー バスタブ島の少女』の「政治的正しさ」

私の場合、毎日試写に行けるわけではないので、行く時は相当時間をかけて選ぶ。ハガキ大の試写状を裏表ためつすがめつ眺めて、おもしろそうな要素を探す。まずは監督やプロデューサーなどのスタッフや俳優の名前。そして大きいのは賞の有無。

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2013年2月25日 (月)

『横道世之介』の描く80年代

週末に沖田修一監督の『横道世之介』を見て、不思議な気分になった。とりわけ大学で教えている自分にとっては、自分の学生時代と今の学生を見る自分が表現されているようで、どうも他人事ではない気がした。

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2013年2月24日 (日)

『涙と花札』に読む韓国の「熱さ」

私は韓国に行ったことがないが、映画はたくさん見ている。最近の韓流スターはわからないけれど、80年代のイ・チャンホやペ・チャンホの監督作品を「スタジオ200」(!)で見ていた頃からだから、かなり付き合いは長い。

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2013年2月23日 (土)

「メディア芸術祭」と「恵比寿映像祭」の予算に驚く

今年もここで取り上げた「恵比寿映像祭」と「文化庁メディア芸術祭」(共に明日まで開催、入場無料!)について、「朝日」のWEBRONZAで論じたが、その時に双方の事務局に事業予算を聞いて、のけ反ってしまった。「恵比寿映像祭」は9700万円、「メディア芸術祭」に至っては2億3600万円という。

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2013年2月22日 (金)

『アウトロー』で気分爽快

大学のこの時期は、学期末の採点や卒論審査、入試などで精神的に疲れることが多い。昨日は修士の入試で気が滅入ったので、スカッとする映画を見たくなった。選んだのはトム・クルーズ主演の『アウトロー』。

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2013年2月21日 (木)

わざと退屈な映画を作るクローネンバーグ

4月13日公開のデイヴィッド・クローネンバーグ監督『コズモポリス』を見た。ドン・デリーロの同名小説を映画化したものだが、これが相当変な作品に仕上がっている。

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2013年2月20日 (水)

ネオ・ビストロ2軒

最近また、食い意地が張ってきた。とくに「ネオ・ビストロ」と呼ばれる、一流シェフがやる安い店にはまっている。その代表格で去年3月にできた「クニオミ ル・ネオ・ビストロ」に行ってきた。紙ナプキンのシンプルな内装だが、メニューを見て驚いた。

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2013年2月19日 (火)

『ペタルダンス』の「うまさ」

テレビCMを作っていた人が作った映画には、私は勝手な偏見がある。市川準や中島哲也がそうだが、共通点は「うますぎる」というものだ。4月20日公開の『ペタルダンス』を撮った石川寛監督もまたその系譜に連なる。

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2013年2月18日 (月)

『ゼロ・ダーク・サーティ』の新しさ

公開3日目の日曜午後、満席の有楽座で『ゼロ・ダーク・サーティ』を見た。珍しく高齢の男性客が多く、当然ながらバカップル風はおらず、ポプコーンの音のしない静かな客層だった。

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2013年2月17日 (日)

『abさんご』に戸惑い、楽しむ

芥川賞を受賞した黒田夏子の『abさんご』をようやく読んだ。「ようやく」というのは、薄い本なのに、読むのにずいぶん時間がかかったから。これは、普通の小説ではない。

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2013年2月16日 (土)

戦後の合作映画は珍品揃いか:(2)『蝶々夫人』

1950年代半ばから増える合作には珍品が多い。ここで前に書いた溝口健二の『楊貴妃』が香港との合作で作られた前年の1954年、イタリアとの合作で作られた『蝶々夫人』を見る機会があった。DVDやVHSにもなっていない貴重な作品だ。

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2013年2月15日 (金)

「メディア芸術祭」が「恵比寿映像祭」よりおもしろいわけ

今年も国立新美術館で「文化庁メディア芸術祭」を見た。何だか親方日の丸のクールジャパンみたいな展覧会名だが、これがなかなかおもしろい。現在東京都写真美術館で開催中の同じようなジャンルの「恵比寿映像祭」よりずっと見ごたえがある。

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2013年2月14日 (木)

お洒落をしてみたくなるドキュメンタリー

私はニューヨークにも一度しか行ったことがないし、ファッションとはおよそ縁がないけれど、5月18日公開の『ビル・カニンガム&ニューヨーク』を見て、とびきり幸せな気分になった。ビル・カニンガムは、「ニューヨーク・タイムス」紙のファッション写真を撮るカメラマン。

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2013年2月13日 (水)

クールな受験生たち

大学の教員になっていつの間にか4年近くになり、入試も4回目になる。実は毎年入試のたびにぼんやり考えていたことがあったが、WEBRONZAで金惠京氏の「受験から見た日本と韓国――情、家族、社会」(後半有料)を読んで、ピンと来た。

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2013年2月12日 (火)

『アーティスト・ファイル2013』の物質感

最近の現代美術展がどうもピンとこなくなって、数年になる。特に若い作家を集めたものがダメだ。観客の参加型だったり、だらだらした日常を見せるものだったり、どうも苦手だ。そんな中で、国立新美術館で4月1日まで開催している『アーティスト・ファイル2013 現代の作家たち』が久しぶりにおもしろかった。

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2013年2月11日 (月)

『テッド』に大笑いするも

とにかく当たっているというので、『テッド』を見に行った。日曜16時の回で、有楽座が満員。観客はほぼ全員自分より若い。こんなことは最近滅多にない。

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2013年2月10日 (日)

柴田元幸氏のような文章が書けたら

柴田元幸氏と言えば、ポール・オースターを始めとする現代アメリカ文学の翻訳でいつも名前を見ている。彼が訳したのならおもしろいかも、と思わせるくらい私は勝手に信用している。というのは、彼自身の文章がうまいから。彼のエッセー集『それは私です』を読んだ。

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2013年2月 9日 (土)

エル・グレコの楽しさ

大阪での開催後、上野の東京都美術館で4月7日まで開かれている「エル・グレコ展」を見た。金曜の夜間開館で、夜7時頃に着いて8時の閉館近くまで見た。夜間開館というのは昔はガラガラだったが、最近は根付いたのか、それなりに観客がいた。それも客層が品がいい。

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2013年2月 8日 (金)

ナントカ映像祭よりウィアゼムスキー

私は今は大学で映画史を教えているが、長い間美術に関わってきた。だから現代美術の分野で「映像」が出てくると普通に考えれば関心が向かうはずだが、これが実は逆になる。「なんだこの程度の映像は、映画史を見たらいくらでもある」と思ってしまうからだろう。

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2013年2月 7日 (木)

洋画不振に考える

先日、映連が発表した昨年の興行収入によれば、邦画のシェアが65%を越して約1282億円となり、過去最高という。1月31日の新聞各紙でそのことが報じられていたが、朝日も読売も2000年以降の邦画と洋画の興収をグラフにしていた。

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2013年2月 6日 (水)

徳間康快のイメージ

佐高信著『飲水思源 メディアの仕掛け人 徳間康快』を読んだ。昨年末にどこかの書評の「今年のベスト3」で選ばれたので買ってあった。著者の佐高信氏は、かつて会社に縛られたサラリーマンを揶揄して「社蓄」という言葉を広めた頃はおもしろかったが、最近はどうもワンパターンの体制批判というイメージが強い。

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2013年2月 5日 (火)

久しぶりのオリバー・ストーン

オリバー・ストーンと言えば、ベトナム戦争帰りの監督で、かつては『エル・サルバドル』(86)や『プラトーン』(86)で、戦場を描きながら戦争や世界の矛盾をあぶりだす、社会派の代表だった。私は四半世紀前に働き始めた頃、彼が東京のあるシンポジウムの基調講演をやるというので、聞きに行ったこともある。

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2013年2月 4日 (月)

今度は、30年前に戻る映画

土曜日に26年前に戻る自分を描くフランス映画を見たら、偶然に翌日に30年前に戻るアメリカ映画を見てしまった。ライアン・ジョンソン監督の『LOOPER ルーパー』で、大学で学生が話題にしていたので見てみようと思った。

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2013年2月 3日 (日)

26年前に戻ったら

ちょっと面白い設定のフランス映画を見た。東京日仏学院の「カイエ・デュ・シネマ週間」で見たノエミ・ルヴォヴスキ監督の『カミーユ、ふたたび』。今年のセザール賞で最多ノミネートというから、どんな映画かと思ったら、ちょっとトンデモな展開だった。

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2013年2月 2日 (土)

「具体」の人々

今朝の朝刊に、「具体」の嶋本昭三さんのお別れの会「Shozo-ism」のお知らせが載っていた。数日前に死亡記事を読んで気になっていたが、お別れの会はかつて兵庫近美や芦屋市美に勤めていた河崎さんが実行委員長とのことで、嶋本さん好みの派手なものになるだろう。

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2013年2月 1日 (金)

『桜並木の満開の下に』の「映画的」魅力

映画をホメるのに、実に「映画的」なショットだ、などと言う言葉がある。もちろん、映画を「映画的」と言うのは同義反復で意味をなさない。それをわかったうえで、どうしてもそうと言いたくなる瞬間がある。4月13日に公開される船橋淳監督の『桜並木の満開の下に』を見ながら、そんなことを考えた。

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