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2013年3月

2013年3月31日 (日)

『ハピネス』が描く「ママ友」の世界

最近読んだ本で最もページが進んだのが、桐野夏生の新作『ハピネス』。江東区にできた高級タワーマンション(タワマン)に住むママたちの話だが、私が全く知しらない「ママ友」の世界に頭がくらくらしながら、一気に読んだ。

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2013年3月30日 (土)

『セレステ&ジェシー』は「アエもん」映画

映画史には、自己愛の系譜がある。多くは監督と主演を兼ねて、ひたすら自分の存在を訴える。古くは「魔術師」メリエスから、オーソン・ウェルズ、ジャック・タチ、クリント・イーストウッド、ウッディ・アレンまで。本人は出ないが、フェリーニやヒッチコック(一瞬出る)にもそんな自己愛が充満している。5月25日公開の『セレステ&ジェシー』もそれに連なるような気がする。

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2013年3月29日 (金)

羽田澄子監督の強い意志

羽田澄子のドキュメンタリーは、一見何の変哲もない。小川伸介や土本典昭のように、困難な状況に遮二無二ささくり込んで撮ったものではない。落ち着いた監督本人のナレーションとともに、対象が淡々と写されてゆく。ところが、見終わるとジンと来る。

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2013年3月28日 (木)

『最後のマイウェイ』に見るもう一つのフランス

初夏公開のフランス映画『最後のマイウェイ』を見た。映画としては大味なコテコテの大作だったが、1960年代から70年代のフランスを考えるうえで、日本では知られていない興味深い要素が詰まっていた。

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2013年3月27日 (水)

心に火を灯す映画『ある海辺の詩人』

ベネチアでもイタリア映画祭でも見逃していた、アンドレア・セグレ監督の『ある海辺の詩人』を見た。久しぶりに平日昼間のシネスイッチ銀座に行ったが、さすがに客は少ない。しかし落ち着いたいい客層で、心に火を灯すようなこの秀作にぴったりだった。

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2013年3月26日 (火)

大学で4年たった

昨日は勤務先の大学の卒業式だった。卒業生が入学した時に私も大学に来たので、もう4年もたったことになる。同僚たちはそれこそ何十年もいるので、いまだに新人の気分は抜けないが、確かに4年で私自身が学んだことはある。

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2013年3月25日 (月)

2回見るべき『ザ・マスター』

ポール・トーマス・アンダーソンは、それこそ「映画的」としか言いようのないショットを次々に見せてくれる久々の大物監督だ。公開が始まったばかりの新作『ザ・マスター』を見に行った。実は昨秋ベネチアで見ていたが、日本語字幕で見たかった。

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2013年3月24日 (日)

ヒッチコック本人が映画になった

ヒッチコックという監督は、もちろん映画もおもしろいが本人自体が見て楽しい。お腹がたっぷり出た恰幅のいい姿で、自分の映画に平然として出てくる。そうでなくても雑誌やテレビに本人が出ていたので、彼の顔は誰でも知っている。そんな彼が『サイコ』を作る様子を描いた映画が、4月5日公開の『ヒッチコック』。

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2013年3月23日 (土)

ローマのウディ・アレン

最近のウディ・アレンは、次から次に映画を撮っている。舞台もバロセロナ、ロンドン、パリと華やかだ。6月8日公開の『ローマでアモーレ』は題名通り、ローマが舞台で、これまで以上に観光地が出てくる。

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2013年3月22日 (金)

東急の愚挙

東横線と副都心線がつながったので、さっそく乗ってみた。小竹向原から自由ヶ丘まで。従来なら2回か3回乗り換えて約1時間かかったのが、26分。中目黒で地上に出るまで、半信半疑だった。だけど果たしてこれで便利になった人はどれだけいるのだろうか。

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2013年3月21日 (木)

内田裕也を見た

内田裕也の実物を近くで見た。かつて新聞社に勤めていたので芸能人を見ることは珍しくなかったが、杖を持ち長い白髪をたなびかせてガラガラ声で「ロックンロール!」と叫ぶ内田裕也を見たら、何とも嬉くなった。京橋のフィルムセンターで始まった崔洋一監督特集のトークショーでのことだ。

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2013年3月20日 (水)

『カルテット!』を見てオペラを見たくなる

昔オペラが好きだったというと、信じてもらえないかもしれない。実は80年代半ばから90年代にかけて、かなりのCDを買いこみ、MD(懐かしい!)に複製して電車の中でも聞いていた。特にイタリアのヴェルディとプッチーニがお気に入りで、歌詞をイタリア語で覚えているアリアもいくつかある。

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2013年3月19日 (火)

シネパトスで『インターミッション』を見る

現在、銀座シネパトスで上映中の樋口尚文監督『インターミッション』を見た。この映画館は3月末で閉鎖されるが、この映画はここで最後に見せるために作られたという珍しい作品だ。当然舞台はこの映画館。

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2013年3月18日 (月)

『フライト』の古めかしい正義感

上映中のロバート・ゼメキス監督『フライト』を見た。理由は2つ。私は飛行機が好きなので、飛行機の映画は見たい。もう一つは、アル中を描く映画は気になるから。自分は昼間は酒を飲まないので、(たぶん)アルコール中毒ではないが、夜は歯止めが効かないことがある。

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2013年3月17日 (日)

アイフォン5から江戸時代へ

アイフォン5を買って一か月と少しになる。なぜ買ったのか考えてみると、若い友人の渡邉大輔さんが書いた『イメージの進行形』を読んで、自分が時代に乗り遅れていると思ったことが大きい。あるいは昨年末、学生に8ミリ調の動画が撮れるアイフォンのアプリを見せてもらったこともあるかもしれない。

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2013年3月16日 (土)

『3人のアンヌ』の想起力

ホン・サンスの映画は、一見何気ないように見えて、実は深い。見終わって、じわりと来る。6月15日公開の『3人のアンヌ』は、それがさらに進んだ感じだ。1本の映画が、私の中でいろいろなことを想起させた。

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2013年3月15日 (金)

『嘆きのピエタ』の象徴性

6月公開のキム・ギドク監督の『嘆きのピエタ』を見た。前にここで書いたが、昨年のベネチアで途中まで見た映画だ。夜の上映で疲れていて1時間ほどで出てしまったが、後で聞くとその後に二転三転があったという。

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2013年3月14日 (木)

『私にふさわしいホテル』に笑うが

ここで朝井リュウの直木賞受賞作『何者』について書いたら、某映画会社に勤める友人から、朝井氏が本名で出てくる小説があると勧められたのが、柚木麻子の『私にふさわしいホテル』。オビには書評家の豊崎由美が、「ユズキ、直木賞あきらめたってよ」と書いている。

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2013年3月13日 (水)

梅本洋一さんが亡くなった

最近、面識があった80歳を越える大御所と、60歳前後の個人的にお世話になった人が、変わりばんこに亡くなる。美術作家の神山明さん(59)の次は、大島渚監督と高野悦子さんにドナルド・リチーさん。山口昌男さんの後に昨日亡くなったのが、映画評論家の梅本洋一さん(60歳)だった。

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2013年3月12日 (火)

それでもワン・ビン

5月25日に公開される中国のワン・ビン(王兵)監督のドキュメンタリー『三姉妹~雲南の子』を見た。ワン・ビンと言えば9時間のドキュメンタリー『鉄西区』で世界を驚かせ、劇映画『無言歌』で中国現代史の闇に迫った監督だ。期待して見に行った。

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2013年3月11日 (月)

『草原の椅子』に少し失望

ようやく『草原の椅子』を見た。『八日目の蝉』で驚くべき完成度を見せた成島出監督の新作なので、期待していた。映画評でも朝日で秦早穂子さんまでホメていたし。もちろん、悪くはなかったのだけれど。

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2013年3月10日 (日)

占領下の映画検閲

このブログをお読みの方はお気づきのように、私の読書には脈絡がない。暇さえあれば本屋に行って思いつきで買うし、書評を読めばアマゾンに注文する。ところが意外に寄贈を受けた本は読まずに礼状を書き、そのまま本棚にしまうことが多い。平野共余子著『天皇と接吻』がそうだった。

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2013年3月 9日 (土)

ルーベンス展も始まる

勤務先の大学の入試も二期試験が終わって、ようやく落ち着いてきた。といわけで、また昨日も美術展の内覧会に行ってきた。東急文化村の「ルーベンス展」。3月の東京は、「ラファエロ展」、「エル・グレコ展」にこれを加えると、いわゆる「オールド・マスター」の展覧会が3つも開催中ということになる。

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2013年3月 8日 (金)

東京のベーコン

今日から東京国立近代美術館で始まる「フランシス・ベーコン展」の内覧会に昨晩行った。去年の11月にシドニーでベーコン展を見たばかりだが、今回の展覧会はその巡回ではない。出ている作品がほとんど違った。

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2013年3月 7日 (木)

村上龍の恥ずかしさとうまさ

最近、小説づいている。たぶんこの2カ月ほど大学で採点や卒論審査や入試などで、ストレスの多い日々を送っているからかもしれない。『何者』に続いて、村上龍の『55歳からのハローライフ』を読んだ。

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2013年3月 6日 (水)

『何者』で就活の闇を覗く

80年代後半、バブルに向かう頃に楽に就職できた自分にとって、今の「就活」はわからない。4年前から大学で教えるまでは、ESがエントリーシートを意味することさえ知らなかった。今度直木賞を取った朝井リュウの『何者』が就活をテーマにしていると聞いて、読まずにはいられなかった。

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2013年3月 5日 (火)

ゴンドリーの愛おしい小品

もともと高校生を中心とした映画には興味がない。ましてやニューヨークのブロンクスの悪ガキ高校生たちが乗るバスの中が舞台と聞いて触手が動かなかったが、ミシェル・ゴンドリー監督の新作ということで4月27日公開の『ウィ・アンド・アイ』を見に行った。

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2013年3月 4日 (月)

おもしろくて退屈な『ジャンゴ 繋がれざる者』

映画を劇場に見に行く時、新聞の映画評とともに参考にするのが、『週刊文春』の星取表。ここは目利きが揃っているし、みんな本音で書いている。この映画は5人のうち4人が5つ星で、品田氏だけが4つ星という滅多にない高得点で、期待して見に行った。

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2013年3月 3日 (日)

ラファエロの完璧な優美さ

最近、「エル・グレコ展」(4月7日まで)で16世紀後半から17世紀前半のマニエリスム絵画をたっぷり見たが、今度はその前のルネサンスそのものの「ラファエロ展」が国立西洋美術館で始まった。もちろん「ラファエロ展」は日本で初めてだ。

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2013年3月 2日 (土)

ベルトルッチの新作に思う

例外はあるが、最近の映画監督の最盛期は10年間くらいだと思う。かつてあんなに楽しみにしていた監督が、どうしてこんな映画を、と思うことが多い。私にとってベルナルド・ベルトルッチはその代表だろう。

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2013年3月 1日 (金)

田中角栄の「熱さ」

先日ここで韓国人が書いた『涙と花札』について触れた時、著者の生き方の「熱さ」を語った。そんな生き方をする人はもう今の日本にはいない、と思っていたが、早野透著の新書『田中角栄』を読んで、この人だと思った。

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