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2013年3月18日 (月)

『フライト』の古めかしい正義感

上映中のロバート・ゼメキス監督『フライト』を見た。理由は2つ。私は飛行機が好きなので、飛行機の映画は見たい。もう一つは、アル中を描く映画は気になるから。自分は昼間は酒を飲まないので、(たぶん)アルコール中毒ではないが、夜は歯止めが効かないことがある。

飛行機の映画としては、前半40分くらいは最高だった。デンゼル・ワシントン演じる機長は、女好きでアル中でコカインまでやっている。酒の入った状態で、遅れて機内に乗り込む。

まず、離陸時の激しい乱気流を余裕で乗り越える。離陸時には原因不明の統御不能状態に陥るが、動物的なカンで背面飛行をした後に平原に胴体着陸。一見ワルの機長が、実は大胆不敵で有能というのは、映画の作りとして最高に楽しい。

そのうえ、背面飛行あたりからの機内の描写がリアルで、見ていて自分が機内にいるような気分になった。胴体着陸して病院に運ばれて、後に携帯で撮られた動画をテレビで見るが、右翼が教会の塔にぶつかってもげた状態で着陸し、白い服を着た信者たちが大騒ぎをするなんて、何ともうまい。

その後がいけない。この映画の予告編を見た時は、これから機長が過失致死を問われて裁判劇となると思っていた。ところが、映画は騒ぎを避けて亡父の家に逃げた機長の心の葛藤を描く。アルコール漬けになり、同じようなヤク中の女と知りあって…。弁護士のドン・チードルとか、変な友人のジョン・グッドマンとかせっかく芸達者が揃っているのに、展開は一昔前のアメリカ映画の「心の病」。

結末は正義は正しく、アルコールは間違っていて、最後は家族に帰る、というもの。今どきこの古めかしい正義感は滅多になく、その意味で妙に魅力のある映画であることは確か。

アル中に関して言えば、やはり昼間に飲まなければ、まだ大丈夫ではないか、と思ったが、どうだろうか。

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