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2013年3月 9日 (土)

ルーベンス展も始まる

勤務先の大学の入試も二期試験が終わって、ようやく落ち着いてきた。といわけで、また昨日も美術展の内覧会に行ってきた。東急文化村の「ルーベンス展」。3月の東京は、「ラファエロ展」、「エル・グレコ展」にこれを加えると、いわゆる「オールド・マスター」の展覧会が3つも開催中ということになる。

ルーベンスといえば、コテコテの筆致で神話を描いた大作というイメージが強い。ベルギーやオランダ、ドイツの美術館に飽きるほどある類の大きな絵だ。そのうえ「ルーベンス工房」作という、弟子との共同作業によるものが大半で、何だかよくつかめなかった。

今回の展覧会は、まさにルーベンス本人とその工房作、あるいは弟子の作品などをわかりやすく並べているので、ルーベンスの全貌が掴めるようにできている。

全体で84点。うちルーベンス原画による版画が30点。最初はイタリア美術の模写から始まる。ティツィアーノの模写やローマ神話を描く作品には、ルネサンス期のものかと思うような調和のとれたものもある。それからアントワープの工房時代。こうなると、作品によって相当に筆致が変わる。これでもかと何でも描き込んだ絵が多い。

弟子の中に静物や風景など専門画家がいて、ルーベンスの指示に従って数名で仕上げたものもあるようだ。ルーベンス本人のスケッチ画もあって、見ているうちに「ルーベンス工房」という巨大なシステムが浮かび上がる。ある意味でルーベンス原画の版画の方が、ルーベンスらしい、バロック的群像を見ることができる。

後半にはヴァン・ダイクやヤーコブ・ヨルダーンスなどの弟子たちの作品があって、これまた全然違っておもしろう。

何となくバロックというものの全体像がわかったような気になった。作品はアントワープやフィレンツェを中心に、フランス、アメリカなど各地から集まっている。板絵など輸送に向かないような作品も多い。こんなに日本に「オールド・マスター」が集まってきていいのだろうか。4月21までで、北九州、新潟に巡回。

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