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2013年3月 3日 (日)

ラファエロの完璧な優美さ

最近、「エル・グレコ展」(4月7日まで)で16世紀後半から17世紀前半のマニエリスム絵画をたっぷり見たが、今度はその前のルネサンスそのものの「ラファエロ展」が国立西洋美術館で始まった。もちろん「ラファエロ展」は日本で初めてだ。

ラファエロの絵は、板に描かれたものばかりなので、基本的に輸送に適さない。そのうえ彼の絵はウフィッツィを始めとして欧米の大美術館の目玉なので、貸し出しは困難なはずだ。それが何と、20数点も展示されている。

それらを見ての印象は、何と優美で調和のとれた世界だろう、というもの。人の顔をくっきりと描き、髪や帽子、ドレスなどの物質感を際立たせる。そうして背景には畑があり、山があり、青い空がある。赤と青と茶色が微妙な均衡を保っている。一枚の肖像画の中に人間のすべてを描きこむような、大きさがある。

キリストの生涯を描いた宗教画にしても、その構成にえもいわれぬ調和があり、世界のすべてがある感じだ。その完璧な優美さに思わず溜息が出る。

作品はウフィッツィを始めとしてイタリアの美術館を中心に、フランスのルーヴル美術館やアメリカのポール・ゲッティ美術館などからまで借りている。「エル・グレコ展」に次いで、とんでもない手間とお金のかかる、力業と言うべき展覧会だ。

そういえば、9日からは東急文化村で「ルーベンス展」が始まる。こちらは17世紀バロックの巨匠。「ルーベンス展」「エル・グレコ展」と併せると、この3月は15世紀から17世紀までのルネサンスからマニエリスム、そしてバロックに至る「オールド・マスター」の中心人物の作品を日本でまとめて見ることができる。

何で突然こういうことが起きたのかわからないが、こんなことは2度とないだろう。なぜこんなに貸してくれたのか、理由を調べてみたい。「ラファエロ展」は6月2日まで。

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