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2013年3月17日 (日)

アイフォン5から江戸時代へ

アイフォン5を買って一か月と少しになる。なぜ買ったのか考えてみると、若い友人の渡邉大輔さんが書いた『イメージの進行形』を読んで、自分が時代に乗り遅れていると思ったことが大きい。あるいは昨年末、学生に8ミリ調の動画が撮れるアイフォンのアプリを見せてもらったこともあるかもしれない。

さて一か月後、生活は変わったかというと、まるで変わらない。ソフトバンクに払う金額が増えただけだ。出先でメールやネットを見ることができるのは便利だが、そもそも今の仕事では急ぎのメールも来ないし、ネットですぐに確認すべきこともない。

ツイッターでもやるかと登録したが、書くことがない。フェイスブックは1年と少し前から始めたが、これだって書くことがない。自分の自慢ばかりしている人、自分の意見を滔々と述べている人を見ると恥ずかしくなる。大学のことを書きたいと思っても、差し障りがあることが多いし。今のところはWEBRONZAで書いた時の宣伝が多いが、これとて後半が有料なので嫌味だろう。

なぜスマホのなかでアイフォンにしたのかというと、見た目がカッコいいから。買ってみてわかったが、パッケージから何まで惚れ惚れするくらい美しい。問題は、全く同じものを持っている人がいくらでも持っていることだ。こんなことは、これまでになかった。

私がマクドナルドの店を見て嫌になるのは、その均一性だ。みんな同じような店で同じようなものを食べている。今や世界中がそうなった。そのグローバリズムの最たるものがアイフォンだろう。ああ、自分もその餌食になったかと思うと何とも悲しくなり、せめて人前で触ることだけはやめようと思う。

そんな時、江戸時代の美術を見て、そのローカルな生の力の放出にほっとした。一つは上野の東京国立博物館で4月7日まで開催中の「円空展」。もう一つは六本木のサントリー美術館で3月末まで開催の「歌舞伎 江戸の芝居小屋」展。

円空は、17世紀後半、江戸前期の行脚僧で、全国に木彫りの仏像を残している。一見ヘタウマのような、荒削りでたぶん短時間で仕上げた仏像が100体ほど並んでいるが、その原始的な力に立ち尽くした。

「歌舞伎展」はたぶん歌舞伎座が再オープンするのに合わせたものだろうが、歌舞伎を描いた屏風絵を見ていると、いかに当時の人々が楽しんでいるかが伝わってくる。

今日は前置きが長すぎたので、この2つについては後日また触れたい。いずれにしてもアイフォンどころではない。

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