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2013年4月 9日 (火)

「デジーノ」のプリフィクス

一方で「トゥール・ダルジャン」のような「グランド・メゾン」と呼ばれる豪勢なフランス料理店があり、もう片方に「ビストロ」と呼ばれる、フランスの基本料理を出す店がある。例えば東銀座の「ビストロ・ヴィヴィエンヌ」。最近できるフランス料理店は、その中間の道を模索している感がある。

中間の道にもいろいろある。「モナリザ」のように高級創作料理でありながら、あえて7000円のコースを出すか、あるいは「クニオミ ル・ネオ・ビストロ」や「スゥリル」のようにビストロ料理を基本にしながら、あちこちに創意工夫を散りばめるか。

あるいは「ボン・グゥ神楽坂」のように、前菜だけのバール方式にしてしまうか。これは独自路線。

先日行った神楽坂の「デジーノ」は、よくあるディフュージョン店方式。高級店が普及店を出すパターンで、成功例は「タテル・ヨシノ」が出した「ラ・トルチュ」あたりか。「デジーノ」は近くの「アトラス」という名店の評判の料理を中心に、気楽な内装で安く出すというもの。その場合は、コース方式を中心にしてメニューの品数を押さえることがポイントとなる。

「デジーノ」は、基本が前菜+主菜+デザート+コーヒーで5000円という良心的なもの。6000円だと前菜か主菜をもう一つ加えられる。4人で行って5、000円で前菜を4種類シェアして食べたのが良かった。

まず、アミューズの中で、春キャベツの冷製スープが抜群だった。それから前菜で秀逸だったのが、サーモンの低温コンフィと白アスパラに半熟卵を加えたもの。ヴィネグレットのソースと卵が、半分火が通ったサーモンにぴったり。あるいはトマトのテリーヌと魚介類のマリネもなかなか。赤ピーマンのソースがいい。

それに比べると、フォアグラや玉ねぎのブランマンジェは少し印象が薄かった。主菜はさらに記憶に残らない。鯛のローストのオマール海老ソースも、鴨のローストも繊細でおいしかったけれど、オリジナリティはない。デザートのチョコレートを使った一品が想像していたものと違ったのは、こちらのせいか。

それでも、5000円でこの達成度は、いわゆるコスト・パフォーマンスがいい、と言えるだろう。フォアグラのような高級食材を使った料理でも追加料金は一切ナシ。ワインのリストも高級銘柄のセカンドラベルが多く、なかなかの揃え。木造りの一戸建てで、白を基調に中庭もうまく使った気持ちのいい空間。サービスもしっかりしている。

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