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2013年4月28日 (日)

またまたイタリア映画祭:その(1)

GW恒例のイタリア映画祭が始まった。何と今年で13回目という。もう少し歴史の長いフランス映画祭は横浜、六本木、有楽町と場所が変わり、時期も変わり、規模も小さくなるなど変遷を経てきた。ところが、このイタリア映画祭は、いつもGWで場所は有楽町の朝日ホール、本数も18本前後と13年間変わらない。

前にも書いたけれど、このイタリア映画祭はかつて私が関わっていた。というより、私が立ち上げたものだ。2年くらいの準備期間を経て、2001年の「イタリア年」に1回きりのつもりで開催した。その後、「イタリア年」は翌年の夏までだからと頼まれて、翌年もう1回やった。

2回やって、イタリア人と仕事をするのはあまりに大変なので止めようと思っていたら、多方面の圧力でやめられなくなった記憶がある。

途中から若い人に任せていたが、2007年までは何とか関わってきた。それからは観客として毎年数本は見に行っている。毎年、自分が作ったフォーマットがチラシやカタログに至るまで寸分違わず繰り返されるのを見るのは、嬉しいような困ったような気分。

さて見たのは、これまで『もうひとつの世界』や『僕の瞳の光』などの傑作を作ってきたジュゼッペ・ピッチョーニ監督の『赤鉛筆、青鉛筆』と新人イヴァーノ・デ・マッテオ監督の『綱渡り』。

『赤鉛筆、青鉛筆』は3人の高校教師を中心に、高校生とのやり取りをスケッチ風に描いた作品。着任したばかりの若い文学教師を演じるリッカルド・スカマルチョが誠実で何ともいい感じだし、彼をあざ笑う美術史の老教師を演じるロベルト・エルリツカが抜群におかしい。

いくつものエピソードが解決されないままに消えてゆき、夢のようなシーンも交じり合うタッチはさすがだが、全体に印象が淡すぎる。『もうひとつの世界』のようなインパクトは、もうこの監督には無理なのかも。

『綱渡り』は、公務員で浮気をした40代の男が、家を出てからどんどん生活が苦しくなる話。公務員といっても月給が1200ユーロ(約15万円)というから、非正規雇用かもしれない。彼が落ちてゆく様子がリアルに描かれるが、全体に単調。世界的に広がる新貧困層を描いたものだが、どこか説明的に見えた。

それにしても、会場はほぼ満員。いいことだけど。

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