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2013年5月30日 (木)

変わらぬドワイヨン:『アナタの子供』

来月21日からのフランス映画祭の試写で、ジャック・ドワイヨン監督の『アナタの子供』を見た。まだ劇場公開が決まっていない作品だが、とにかくドワイヨンだからと見に行った。1980年代に浴びるほど映画を見た私の世代にとって、ドワイヨンは幻の監督だった。

もともと1970年代は、ヨーロッパ映画は日本にあまり来ていない。フランスもしかりで、とりわけトリュフォーやゴダールのヌーヴェル・ヴァーグの次の世代は、ほとんど紹介されないままだった。

ジャック・ドワイヨン、ジャン・ユスターシュ、フィリップ・ガレル、クロード・ミレールといった監督たちだが、内容的にもヌーヴェル・ヴァーグのような派手さがない。男女が部屋の中でごにょごにょ話しているシーンが、えんえんと続くような映画が多かった。

1980年代になると、ジャン=ジャック・ベネックス、レオス・カラックス、リュック・ベッソンの3人が出てきて、その華やかな映像で見せるタイプの映画は日本でも受けた。だからその前の世代はいつまでも闇に包まれたままだった。

もちろんドワインヨンにはその後『ポネット』のような日本でのヒット作も出たが、未公開作品が多く日仏学院などで追いかけた。

今回驚いたのは、彼の映画が昔と全く変わっていなかったことだ。40前後の2つのカップルが、えんえんと好きだ嫌いだと話している。そのうえ中心となるのはドワインヨン監督のジェーン・バーキンとの間の娘、ルー・ドワイヨン。

ジェーン・バーキンの娘はシャルロット・ゲンズブールは有名だが、こちらは知らなかった。バーキンのエキセントリックな感じとドワイヨンの寂しい眼差しが一緒になったようで、見ていて何とも飽きない。

彼女が演じるアヤはリナという娘がいるが、その父親ルイと別れて歯科医とつきあっていて、その男の子供を産もうと思う。ルイと久しぶりに会うが、愛が蘇りそうで蘇らず、行ったり来たり。そこにルイの彼女も加わって4人で食事をしたり。

2時間16分、これが続く。ラストでアヤがリナと過ごす海岸のホテルに男二人が出かけて行って、ようやく決着らしきものがつくが、やはり長い。これもまた日本未公開で終わるかもしれない。

ところでそのホテルは、プルーストが小説を書いたノルマンディのカブールにある「グランド・ホテル」に間違いない。大学時代の彼女にフランスで再会して、そこに行ったので覚えている。と書くと、私もドワインヨン映画みたいだけど。

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