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2013年5月 2日 (木)

また六本木の展覧会2本

また、六本木に行った。先日、六本木で開催中の「LOVE」展(森美術館)と「貴婦人と一角獣」展(国立新美術館)についてここで書いたが、また六本木で別の展覧会を2つ見た。「カリフォルニア・デザイン」展と「もののあはれ」展。

自宅で「論文」(?)のようなものを書いていたら、どうしても煮詰まってきたので、散歩がてら展覧会を見ようと思いついた次第。映画だと目が疲れるし、展覧会の方が歩くので体にいい(はず)。

一言で言うと、2本とも印象の薄い展覧会だった。それでも2つを見ながら、アメリカと日本の美意識の違いを考えた。

国立新美術館の「カリフォルニア・デザイン 1930-1965」展は「モダン・リヴィングの起源」という副題。馬鹿でかい会場に、アメリカ人の使うような大きな家具や自動車がポツポツと置いてある。もちろん当時のものだからそれなりに古く、何だか間の抜けた骨董市みたい。

19世紀後半のイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動やフランスのアール・ヌーヴォーやアール・デコ、あるいは戦前の日本の工芸運動などを見た目には、何が新しいかわからない。金と空間の余った西海岸のアメリカ人が、巨大な家を建てて、ヨーロッパを真似た大きな家具を置いているだけのように見える。

主催には、新美と共にロスのカウンティ美術館の名前がある。カウンティ(州立)美術館所蔵品の巡回だろうが、これを日本でやる意味がわからない。かつてアメリカに憧れた私より上の世代には、ある種のノスタルジーはあるかもしれないが。6月3日まで開催。

それに比べたら、サントリー美術館の「「もののあわれ」と日本の美」展はほっとする内容。これを見ると、日本美術はすべて「もののあわれ」に見えてくるけど。花鳥風月の屏風や絵巻などを見ていると、何か自分の源泉を見せられている感じだ。大味の「カリフォルニア・デザイン」の後のせいか、なおさらそう思った。

途中で月を描いた絵が並んでいて、月の種類について細かい解説があったのも良かったし、最後に突然出てくる鏑木清方の数点も心に沁みた。こちらは6月16日まで。

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