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2013年5月27日 (月)

『クロユリ団地』は賛否両論

公開中の『クロユリ団地』を見た。日経新聞で古賀重樹記者が絶賛していたが、私の学生の評価は概ね低かったので、どんなもんだろうと思ったからだ。

結果は、どちらもよくわかる、という感じか。つまらないというのは、前田敦子がぎゃあぎゃあ騒ぐだけで、ホラーとしての畳みかけるような設定がない、ということだろう。全体として何を言いたのかわからない、という感想もあるかもしれない。

ホメたくなるのは、撮影や美術や音響も含めた演出の厚みであり、少しずつ恐怖の焦点がずれてゆく構成の妙だ。私はあまりホラー映画にくわしくないせいもあって、どうしても普通の映画として見てしまう。そうするとまずあの公団の団地がいいし、その玄関の戸や中のしつらえが何とも映画らしいと思う。

映画は、「くろゆり団地」に引っ越してきた前田敦子演じる明日香の物語だ。父、母、弟と引っ越してきたはずだが、彼らの様子がヘンだ。公園で知り合う少年もどこかおかしいし、隣に住む老人は実は死んでいた。そこにあらわれる遺品整理業の笹原(成宮寛貴)もまた過去があった。

要は死んだ人々への罪悪感が妄想をかきたて、亡霊のようにあらわれるというもので、その意味では理路整然と展開してゆく。明日香の介護士の学校や、女性祈祷師の存在がいま一つ弱いかもしれないが。それにしても、祈祷師役で手塚理美が出てきたのには驚いた。もう立派なおばさんだった。

客層が若かったのもびっくりした。小学生や中学生がたくさんいて、途中で話したり出入りしたりしている。上映後彼らの話に耳をそばだてると、「マエアツがよかった」「かわいかった」ばかり。そうか、そういう見方もあるのか。あの程度のかわいさならどこにでもいると思うが、それがいいのかな。

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コメント

記事を拝読しました。映画『クロユリ団地』に成宮寛貴さんが出演しているのですか。ただ、手塚理美さんも出演したようですが、祈祷師役で出演したものだから、知っている方にとってはショックかもしれません。

投稿: ○〔落合紘史} | 2013年6月10日 (月) 10時03分

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