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2013年6月 6日 (木)

すごいぞと脅されるような『10人の泥棒たち』

6月22日公開の韓国映画『10人の泥棒たち』を見た。私は韓流はおろか、韓国映画一般にもくわしくないが、韓国で史上最高の観客動員数というので、興味をひかれた。悪人ヅラの男女10人が、香港の路地一杯に広がって歩くビジュアルもそそった。

何となく『ベルリン・ファイル』のようなものかと思っていたが、大違いで徹底した娯楽作品だ。前半はコメディタッチで、香港のホテルの金庫破りに向けて計画が進んでゆく。その大げさな演技やこれみよがしの演出に引いてしまったが、何となく見てしまう。

見ているうちに、だんだんとこれはそのわざとらしさを楽しむものだとわかってくる。アクションもむしろ香港でダイヤを強奪してプサンに行ってからの方が盛り上がる。泥棒同士と警察が三つ巴になって、古びた高層ビルでダイヤの争奪戦を繰り広げる。

2時間18分、韓国映画だが中国語、日本語、英語が飛び交い、ソウル、香港、マカオ、釜山を行き来しながら展開する壮大な構成で、その大作感はどこか居直りに近いものがある。すごいぞ、すごいぞと脅されているような感じといったらいいのか。

それでも多くの韓国映画がそうであるように、見終わっての充足感はある。やはり韓国映画は勢いがあると思ってしまう。

ところでこの映画は全国2週間限定公開という。そのうえ各種割引はなしの1800円。友人によれば、日本語吹き替え版の方がおもしろいらしい。

配給はライブ・ビューイング・ジャパン。聞いたことのない会社だとネットで見てみると、代表はアミューズの大里会長で、東宝、東映、電通、博報堂などが出資している。

要はコンサートなどを映画館で上映する、いわゆるODSを専門にした会社だ。こうした新しい会社が、映画興行の新しい形を作ってゆくのかもしれない。

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