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2013年6月11日 (火)

学生はカンヌ報道をどう見たか

最近、大学で映画ビジネスを教え始めた。ビジネスといっても実際に映画を製作したり配給したりするわけにはいかないので、プロの映画人を呼んできて話を聞いたり、ビジネスの基本的仕組みや著作権について説明したりする。そして、学生にレポート課題を出す。

例えば、GWの課題はイメージフォーラム・フェスティバルとイタリア映画祭のどちらか(できたら両方)に行って、映画祭とは何か考えて書けというもの。最近出した課題は、カンヌ国際映画祭に関する報道を見て、カンヌとは何かについて書け。

図書館で新聞各紙が読めると教えておいたが、数紙に目を通して比べた学生は1/3くらいか。全般に、読売の恩田記者が2回にわけて今年の傾向を分析しているのが評価が高い。女性ならではの視点と書いた女子学生もいた。

朝日の石飛記者が欧米中心と批判したことや、テレビ局映画について積極的に書いたことを評価した学生もいた。一番おもしろいと思ったのは、これだけ日本人が活躍したのだから、文化面以外でもっと報道があってしかるべきだという意見で、まさにその通り。

日経の古賀記者の3回連載「世界の中の日本映画」は私には興味深かったが、掲載が遅かったので提出日が連載の2回目の朝となり、触れた学生がいなかったのは残念。これは日本映画がカンヌをきっかけに、世界に出てゆくにはどうしたらいいのかというテーマを丹念に追いかけていた。

経済新聞なので、今年の傾向や賞を取った作品を細かく解説するよりも、映画が国際的なビジネスに結びつくことを書いたのだろう。ところが、これを東京国際映画祭のプログラムディレクターの矢田部吉彦氏が批判しているブログを見つけた。「(パルムドールを取った)ケシュシュ監督に一文字も触れない記事は存在し得ない」と。

古賀記者は別途日経のネットで各出品作についてくわしく書いているので(それを新聞に明示している)、この批判は当たっていないと思うが、それでもこうした文章はおもしろい。文化面の新聞記者は関係者に批評されることがまずないので、みんなどんどん書いた方がいいと思う。そう思って私もブログを書いている。矢田部氏は「某新聞」とボカシていたのが残念だったが。

学生のレポートの話を書いていて横道に反れたが、学生のうちから新聞を読み比べて批判的に見る力がつけばと思う。私も先生らしくなってきたかな。

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コメント

矢田部くんのブログ読みましたが、ちょっとひどいね。
日経は5月28日(火)付けの夕刊の最終面トップでケシシュを中心としたカンヌレポートを他紙に先駆けて出しています。どこよりも早く、大きくね。翌週の連載はタイトルの通り「世界の中の日本映画」にテーマを絞ったものです。
あまりにも底の浅い批判に愕然としています。それをそのまま掲載するあなたもどうよ。

投稿: | 2013年6月11日 (火) 23時03分

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