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2013年6月 5日 (水)

フランス映画祭は玉石混交

またフランス映画祭の試写に行った。見たのはアニメの『森に生きる少年~カラスの日~』と、『恋のときめき乱気流』。もともとアニメはあまり見ないが、フランスの漫画やアニメは昔から個性的なものがあるので、見に行ってみた。

『森に生きる少年』は、一言で言うと宮崎アニメの影響が色濃い作品だった。自然と人間や文明と未開、生と死といった対立を軸に、全体がアニミズムやエコロジーに満ちている。

森の中で暮らす父子が、父の足の怪我を直すために人間社会にやってくる物語。そこで野蛮な彼らを嫌う村人や優しい医師とその娘に出会い、森の中に戻ってゆく。

もちろん繊細な今の日本のアニメに比べると絵そのものが稚拙だが、森や草木がまるで印象派絵画のようなタッチで描かれていて味わいがある。人間の動きは昔の『ゲゲゲの鬼太郎』みたいに単純化だが、それがまた新鮮だ。後半の火事や鳥の大群のシーンなどもなかなか凝っている。

時代はたぶん20世紀前半のフランスの田舎だが、何となく日本語の字幕で仏語で見るのが奇妙なくらい、少し前の日本のアニメのようだった。日本では公開が決まっていない。監督は初長編のジャン=クリストフ・デッサン。

『恋のときめき乱気流』は、題名通りの軽いコメディだったが、全く乗れずに途中で出た。エッフェル塔やノートルダム寺院が出てくるし、リュディヴィーヌ・サニエ演じる主人公が恋人と夕食をするレストランは日本人や中国人だらけで、彫刻家をめざす彼女は日本への留学を夢見ている。

まるで日本で公開されることを目標に作られたような映画だが、それにしては日本人の感情を逆なでする。これも配給が決まっていないが、難しいだろう。これも初単独監督のアレクサンドル・カスタネッティ。

フランス映画祭の作品は、イタリア映画祭と違ってフランス側が選ぶ。そのうえ誰が選んだか明らかにしない。おそらくさまざまな思惑を調整して、毎年玉石混交の品揃えとなる。かつては未公開作が中心だったが、今はお金のかからない公開作品が中心。今世紀になってインドや中国でもフランス映画祭を始めたので、日本にはもう予算をかけられないのだろう。


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