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2013年7月24日 (水)

『悪いやつら』に日韓の相違点を考える

8月31日公開の韓国映画『悪いやつら』を見た。韓国映画は多いうえに私はくわしくないので見るべきか迷うが、この映画の予告編は豪州ブリスベンの「アジア太平洋スクリーンアワード賞」授賞式で見ていたし、その時主演男優賞を取ったチェ・ミンスクの姿も印象的だったから、見に行くことにした。

結果は見て正解。タイプとしては『ベルリン・ファイル』に近いアクション娯楽映画だ。『ベルリン・ファイル』はベルリンを舞台にまさに現代国際社会の縮図を描いているが、こちらは1980年代の韓国のどろどろとした裏社会をこれでもかと見せる。

冒頭に、盧泰愚大統領が1990年に「暴力と犯罪の一掃」を宣言するテレビ映像が映る。そこから1982年に遡り、釜山の税関で働くチェ・イクヒョン(チェ・ミンシク)が写る。彼はふとしたきっかけで税関を辞めて、裏社会の若きボス、チェ・ヒョンベ(ハ・ジュンウ)と組んで、日本に麻薬を輸出することに手を染める。

そこから先はイクヒョンが自分の家系や公務員時代のつながりを駆使して逮捕を逃れ、臆病なクセに悪事を重ねてゆく醜い姿が次々に写る。最初はかつての日本のテレビの警察ものを見ているような既視感があってちょっとうんざりするが、最後の最後までずる賢さを通し続けて生き延びる姿を見ているうちに、妙に感動してしまう。

それにしても、韓国社会はかくも地縁血縁が強いのかと驚いた。血統をたどると兄貴分に当たるから特別に配慮するみたいなことが、何度も出てくる。今の日本だと遠い親戚なんて出会っても何のこともないが、少なくとも80年代の韓国では濃厚に残っている。

役人を接待するシーンが何度も出てくるが、こちらは日本でも1990年代まではあったと思う。賄賂は今でもあるだろう。今の韓国はどうなのだろうか。

仲間同士の食事、役人の接待、家族との食事など、とにかく飲んで食べるシーンばかりが出てくる。それはおおむね男たちに破壊されて終わるので見ていてつらいが、韓国の食事は日本よりも皿数も多くて色とりどりで、おいしそうに見えた。

それにしても、最近の韓国映画はアート系も娯楽系も充実している。この勢いは本物だと思う。

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