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2013年8月

2013年8月31日 (土)

ベロッキオ『眠れる美女』再見

去年の東京国際映画祭で見ていたが、10月19日からの公開が決まり、もう一度見たくなって出かけた。今世紀に入ってからのマルコ・ベロッキオは、とにかくおもしろい。イタリアでは20世紀後半に活躍したベルトルッチとベニーニとトルナトーレが失調して、その分ベロッキオとモレッティが再生した感じか。

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2013年8月30日 (金)

『Homesick ホームシック』の現代性

ふと空いた時間に思い立って、27歳の廣原暁監督『Homesick ホームシック』を見に行った。ユーロスペースに『陸軍登戸研究所』を見に行って手に取った同じビルのオーディトリウム渋谷のチラシに、ポン・ジュノやジャジャンクーが彼の前作を絶賛したと書いてあったので気になっていた。

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2013年8月29日 (木)

キャプションが重要な写真展「米田知子展」

普通、美術展を見る時に、キャプションを見る行為はどこか、後ろめたい。画家の名前を見て急にありがたいもののように思ったり、題名を見てわかったような気になったり。ところが東京都写真美術館で開催中の「米田知子展」は、キャプションを見ないと意味がない。

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2013年8月28日 (水)

『陸軍登戸研究所』の衝撃

何度も書くように、ドキュメンタリー映画は、格別におもしろい人間が見つかってその人に肉薄できれば、既に半分は成功だ。先日見た『陸軍登戸研究所』は、1人ではなく多くの人間が出てくるが、秘密兵器製造にかかわった人々の話だから、抜群に刺激的だ。見終わってガツンと殴られたような衝撃を受けたのは、『立候補』と同じ。


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2013年8月27日 (火)

250万円で作った映画『ストラッター』

総製作費2万5千ドル、つまり約250万円のアメリカ映画を見た。9月14日公開の『ストラッター』だが、これがちょうどジム・ジャームッシュが『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で、レオス・カラックスが『ボーイ・ミーツ・ガール』で出てきた時のような感じの、痛快なオフビートの白黒映画だった。

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2013年8月26日 (月)

初めてのスター・トレック

始まったばかりの『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を見た。実はスター・トレックのシリーズを映画館で見るのは初めて。昔、60年代に「宇宙大作戦」としてテレビでやっていた頃も、1980年代に映画シリーズが次々と公開された時も見ていない。たまに映画版のテレビ放映を途中まで見た記憶しかない。

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2013年8月25日 (日)

『夫婦善哉』の小説、映画、テレビ

実は、大阪が苦手だ。「何言うてまんねん」とか「よろしおまんな」とか、何だか肌にまとわりつきそうだし、お好み焼きも串揚げも、おいしいと思ったことがない。前に勤めた会社は創業の地が大阪だったせいか、コテコテの大阪人が妙に幅を利かせていたこともある。

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2013年8月24日 (土)

クレイマーの『アイス』に考える

昔、「今すぐ劇場に駆けつけなければならない」というのがあった。蓮實重彦氏がこう煽ると、いてもたってもいられなくなった記憶がある。先日、久しぶりに似たような「義務感」を感じて劇場に行った。あのロバート・クレイマーの未公開2作品が上映中という。

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2013年8月23日 (金)

またまた個人コレクション2つ

また、個人コレクターが集めた美術をまとめた展覧会を2つ見た。1つは国立新美術館の「アメリカン・ポップ・アート展」で、もう1つは山種美術館の「速水御舟展」。前者がジョンとキミコのパワーズ夫妻の個人コレクションとは、実は行くまで知らなかった。

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2013年8月22日 (木)

観光立国は可能か

今朝のニュースだと、7月の来日外国人が一か月で初めて100万人を超えたという。私は大きな経済成長が見込めない日本の未来は観光にあると、常々思っている。フランスやイタリアのように、外国人観光客を相手に宿やレストランを経営し、土産物店で絵葉書を売って暮らす生活である。

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2013年8月21日 (水)

『大統領の料理人』

9月7日公開の『大統領の料理人』を見た。試写状にカトリーヌ・フロのベタな笑顔とエッフェル塔があったので行く気がなかったが、監督がクリスチャン・ヴァンサンと知って見ることにした。彼の『恋愛小説ができるまで』はなかなか良かった。

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2013年8月20日 (火)

『R100』の自己言及性

小説を書く小説や、小説とは何かを追求する小説を書くことを、芸術の自己言及という。音楽も絵画も「現代」と名のつくものは、どこかにその部分を持っていて、映画にもある。松本人志は、4本目にしてそこに至った。

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2013年8月19日 (月)

男性の日傘はエレガントか

最近、男性用の日傘が売れているという。何となく私も欲しくなって、お盆休みに通りがかった銀座松屋で聞くと、男性向け晴雨兼用の折り畳み式は入荷待ちだと言われた。本当に流行っているようだ。

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2013年8月18日 (日)

新東宝で巨匠が撮った2本

「新東宝」という映画会社は、私にとって昔から謎だった。東宝争議でできた会社で、当初は中川信夫や市川崑などが在籍していて多くの巨匠も何本か撮っているが、途中からいわゆるエログロ路線が出てきて、『女体渦巻島』や『花嫁吸血魔』のようなタイトルも多い。ここで何度も書いた清水宏も数本撮っている。

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2013年8月17日 (土)

『パシフィック・リム』の日本趣味

外国映画の中に出てくる日本や日本人というのは私の関心のあるテーマなので、『パシフック・リム』を見に行った。監督のギレルモ・デル・トロは、日本の怪獣映画に影響を受けてこの映画を作ったというし。

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2013年8月16日 (金)

個人コレクション2つ

最近、個人が収集した美術コレクションを見る機会が2度あった。一つは青山の根津美術館で「曼荼羅展」、もう一つは文化村ザ・ミュージアムで「レオナール・フジタ展」。後者はポーラ美術館の所蔵品が中心だ。

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2013年8月15日 (木)

二度目の『ハンナ・アーレント』

昨年の東京国際映画祭で見た『ハンナ・アーレント』が10月24日に公開されるというので、また見に行った。その映画祭で一番気に入った作品だったというのがその理由だが、昨日ユダヤ人問題について書いたので、もっと知りたいとも思った。

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2013年8月14日 (水)

『もうひとりの息子』のパレスチナ問題

正直なところ、ユダヤ人という存在がよくわからない。パレスチナ問題も、何度解説を読んでもピンと来ない。だから10月公開の『もうひとりの息子』は、ユダヤ人とパレスチナ人の赤ん坊が入れ替わった悲劇と聞いてちょっと躊躇していたが、去年の東京国際映画祭のグランプリと監督賞のダブル受賞作品ということで、見ることにした。

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2013年8月13日 (火)

『わたしはロランス』に脱帽

久しぶりにフランス映画の新しい才能を見た気がする。9月7日公開の『わたしはロランス』のグザヴィエ・ドラン監督のことだ。正確にはカナダの仏語圏出身だが、わずか24歳。濃厚な物語を、リアルであるながらシュールな映像で描く才能に脱帽。

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2013年8月12日 (月)

『少年H』の描く戦時中の日本

8月のこの時期に『風立ちぬ』と『終戦のエンペラー』を見ると、どうしても『少年H』を見たくなって、見に行った。まるで2013年夏版の終戦三部作という感じだが、この映画も新しい視点から誠実に戦争について考えた秀作だった。

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2013年8月11日 (日)

フォアグラ2軒

動物愛護の方から怒られそうだが、私はフォアグラに目がない。そんな私が驚いたフォアグラ専門レストランを見つけた。京橋の「レ・ロジェ・ビストロ・ド・ロワ」。名前からして「ガチョウのビストロ」だ。

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2013年8月10日 (土)

中村登の再評価が始まる

最近清水宏をまとめて見てその天才ぶりに驚いたが、松竹大船にはまだまだ知られざる巨匠がたくさんいる。気にかかっていた1人が中村登で、彼の『夜の片鱗』(1964)が生誕百年記念として今年のベネチア国際映画祭のクラシック部門で上映されるというので、ニュープリントの試写を見に行った。

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2013年8月 9日 (金)

文学を考える映画2本

一日のうちに、文学をテーマにした映画を2本見た。1本は浜野佐知映画祭で上映されていた『こほろぎ娘』(06)で、もう1本は10月5日公開の『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』。前者は尾崎翠の短編3本をつなげた劇映画で、後者は『海炭市叙景』の映画化が話題になった佐藤泰志のドキュメンタリー。

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2013年8月 8日 (木)

『《焼き場に立つ少年》は何処へ』を巡って

先日、吉岡栄二郎さんから『《焼き場に立つ少年》は何処へ』という本が送られてきたが、表紙の写真を見て「あっ」と声を挙げた。清水宏監督『蜂の巣の子供たち』(1948)の有名なシーンにそっくりだったからだ。吉岡さんは東京富士美術館の学芸員で、専門は写真史。

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2013年8月 7日 (水)

清水宏をもう1回だけ

ここで何度清水宏について書いたかわからないが、とりあえず今日でおしまい。最後に見たのは『母のおもかげ』(59)と『蜂の巣の子供たち』(48)。『母のおもかげ』は遺作なので見たかったし、『蜂の巣の子供たち』は急に時間が空いたので、もう一度見たいと思った。

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2013年8月 6日 (火)

落語から弁士へ

先日無声映画を弁士付きで見に行ったことを書こうとしてラーメン嫌いの話になったので、もう一度弁士のことを書いておきたい。というのは、四半世紀ぶりに落語を見に行って、弁士のことを思い出したからだ。

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2013年8月 5日 (月)

『ローン・レンジャー』の懐かしさ

ジョニー・デップ主演の『ローン・レンジャー』を満員の劇場で見た。予告編が面白そうだったし、何より西部劇だから。これが予想以上に西部劇の基本を押さえていて、懐かしかった。

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2013年8月 4日 (日)

清水宏の対照的な2本

このブログを読まれている方は、もう清水宏のことは飽き飽きしていると思うけれど、あと1、2回ご辛抱を。今回見たのは『母の旅路』(58)と『花形選手』(37)で、まさに対照的な2本だった。

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2013年8月 3日 (土)

清水宏の『次郎物語』に泣く

フィルムセンターの清水宏特集も終盤だが、『次郎物語』(55)を期待せずに見に行って、泣いてしまった。金曜15時というのに、たぶん満席。年配の男性を中心にした観客の多くが、ラストの木暮美千代の演技に泣いていた。

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2013年8月 2日 (金)

またまた清水宏3本

戦前の黄金期の3本について、どうしても書いておきたい。『恋も忘れて』(1937)、『簪』(41)、『子供の四季』(39)。最初の2本は見たのが1週間以上前なので記憶は定かではないが。

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2013年8月 1日 (木)

映画『立候補』の衝撃

先日、9月21日公開の映画『凶悪』の試写を大学でやった時に、打ち上げで白石和彌監督が熱っぽく語っていたのがこの映画だった。そこにいた日活のスタッフも絶賛していた。そこで慌ててポレポレ東中野に出かけて行った。

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