« 二度目の『ハンナ・アーレント』 | トップページ | 『パシフィック・リム』の日本趣味 »

2013年8月16日 (金)

個人コレクション2つ

最近、個人が収集した美術コレクションを見る機会が2度あった。一つは青山の根津美術館で「曼荼羅展」、もう一つは文化村ザ・ミュージアムで「レオナール・フジタ展」。後者はポーラ美術館の所蔵品が中心だ。

根津美術館は、実は4年前に改装してから行っていなかった。隈健吾のデザインと聞いて、私の近所の赤城神社の改装(改悪)を思い出し、行く気が失せていたこともある。

行ってみると、エントランスから始まって、何とも気持ちがいい。前の建物も確かに個人宅みたいで良かったが、今回は最新の照明技術も含めて展示空間の快適度は高い。

『曼荼羅展』は鎌倉時代を中心に重要文化財だけでも10件ほどあり、さすが根津。密教世界を多くの尊師たちの連なりで見せる細密画のような世界は、細部を見れば見るほど飽きない。赤や青や緑や黄色など色彩も豊かで、見ているとぼーっとしてくる。とりわけ修復後初公開という《愛染曼荼羅世界》は、その緑や青の模様がアール・ヌーヴォーのようで眩暈がする。真夏のとけそうな脳髄に、ひんやりとした刺激が来た感じ。

もちろん常設展で仏像や中国の青銅器、茶道具なども見ることができるし、庭は昔から変わっていない。確かこの改装費用は、清時代の宝飾時計を数点香港のオークションで売っただけでかなりまかなえたという話を聞いたことがあった。持てるものは強い。「曼荼羅展」は9月1日まで。

文化村ザ・ミュージアムの「レオナール・フジタ展」は箱根のポーラ美術館所蔵作品が中心。戦前からある根津と違って、こちらは最近できた美術館だが、印象派以降の西洋美術のコレクションはかなり充実している。この展覧会ではフジタの同時代の作家として、ポーラが所蔵するモディリアーニやパスキン、アンリ・ルソ-などの作品も数点ある。

藤田の黄金期は何と言っても1920年代の乳白色の裸女を描いたものだが、ポーラはこのあたりは持っていない。その分は、京都国立近代美術館や鹿児島市立美術館などから秀作を借りて補っている。戦後の少女を描いたカリカチュア風の絵や子供たちを描いたタイル絵は、個人的にはあまり関心はないが、じっと見入っている観客もいた。こちらは10月14日まで。

|

« 二度目の『ハンナ・アーレント』 | トップページ | 『パシフィック・リム』の日本趣味 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/58001075

この記事へのトラックバック一覧です: 個人コレクション2つ:

« 二度目の『ハンナ・アーレント』 | トップページ | 『パシフィック・リム』の日本趣味 »