観光立国は可能か
今朝のニュースだと、7月の来日外国人が一か月で初めて100万人を超えたという。私は大きな経済成長が見込めない日本の未来は観光にあると、常々思っている。フランスやイタリアのように、外国人観光客を相手に宿やレストランを経営し、土産物店で絵葉書を売って暮らす生活である。
日本は美しい景観も温泉も寺社仏閣もある。そのうえ「おもてなし」は抜群にうまい。日本料理以外も含めて考えると、日本のレストランでは、たぶん世界一おいしいものが食べられる。映画やアニメや漫画、ファッション、建築など、外国人が憧れる現代文化もそこらにころがっている。
なんでもっと外国人が来ないのかと考えていたら、「読売」の朝刊でこの日曜からそんな特集が1面で始まっていた。「Nippon蘇れ」という枠で今回のテーマは「吸収」。日本が外国人を受け入れることが、日本が蘇る道につながる、という読売流の経済再生論だろう。その2回目は、「観光」がテーマだった。
昨年の統計で、外国人訪問客のランキング1位はフランスの8302万人。2位は米国の6697万人。3位は中国の5773万人。4位スペインで5770万人、5位イタリアで4636万人。日本は836万人で33位。1114万人で23位の韓国に大きく負けているのだ。
この大負けの理由は映画と似ている。フランスや韓国に比べて日本は人口が多いので国内市場が大きく、外国へ売り込む必要がなかったというものだ。韓国政府は観光に年に700億円を費やしているが、日本はその1/7の100億円という。映画や音楽と似ている状況だ。
だからと言って、大金を使って外国で日本観光のキャンペーン広告を流すのがいいとは思わない。日本でもよく「ビジット・インディア」みたいな政府観光局の広告を見るが、あれにつられていく人は少ないだろう。
かつてフランス人の友人が箱根のいい旅館に行きたいと行った時、有名旅館に電話して予約しようとしたら、日本語ができない外国人は困ると言われたことがある。こういう閉鎖性をなくせばいいだけの話だと思うけれど、難しいのだろうか。こうした旅館は英語のHPもない。実質上のガイジンお断りだ。
根本的に必要なのは、美術館とか劇場とかの公共施設を世界レベルに持ってゆくこと。あるいは一流の国際映画祭や演劇祭などを開催すること。もし毎年700億円使ったら相当のことができるのに。国内の文化振興が、結局は観光につながる。
ところで、日本にいい絵葉書がないとはよく聞く話だ。そういえば、外国ではおびただしい数の絵葉書を売っている。きちんと写真を撮ってデザインした絵葉書を作って旅館や土産物屋さんに置いてもらったら、相当売れるのではないか。私は観光地の土産物屋さんの店先で座っている老人に、なぜか憧れている。
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