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2013年9月21日 (土)

謎のブエノスアイレス:その(3)

トロントからブエノスアイレスについて驚いたのは、人々がフレンドリーでないことだ。空港の税関ではまるで犯罪人扱いだし、ホテルに着いた時も、何とも愛想が悪い。雨が降ったので傘を借りようとすると「近くの店で売っている」と高級店を指さす。

ところが街は魅力に満ちている。歩けば、ほとんど1ブロックごとに本屋や古本屋が出てくる。カフェも多く、そこで1人で本を読んだり、友人と語りあう人々がいる。映画館や劇場も多い。もはや先進国にはない、2千人も収容するような壮麗なシネマパレスまである。

美術館もすばらしい。国立美術館には中世から始まってイタリアルネサンスから、レンブラント、ベラスケス、ゴヤを経て、印象派絵画まで相当のコレクションがある。たぶんここ1館の印象派の質と量は日本全体を遥かに上回る。国レベルではフランスとアメリカに次ぐコレクションといっていい。

これに比べたら、トロントのアート・ギャラリー・オブ・オンタリオは日本の美術館に似て、一応有名画家はあるが、小品ばかり。「アイ・ウェイ・ウェイ」の個展をやっているあたりも日本に似ている(後でわかったが、これは森美術館の企画の巡回だった)。

トロントはむしろロイヤル・オンタリオ博物館の恐竜の展示が良かった。あれほど多くの恐竜(50体ほどか)を一度に見たのは初めて。古い博物館にモダンな建築を足して、その部分の大きな窓をうまく使って恐竜が展示されている。アイ・ウェイ・ウェイと恐竜というわかりやすさが日本に似ているか。

ブエノスアイレスの魅力は何より、料理にある。とりわけ牛肉をあれだけおいしく食べさせる都市は世界のどこにもないだろう。あまり手を加えず炭焼きで、肉のあらゆる部位を食べさせてくれる。洗練されてはいないが、美食の基本を感じる。どのレストランも雰囲気が落ち着いていていい。

それに比べると、トロントの料理は基本的にジャンクフード。おいしかったのは、インド料理と中華料理だった。

いつのまにかブエノスアイレスとトロントの比較になったが、古い街には文化があるが、人は親切ではない、というのがとりあえずの短絡的な結論か。フランスやイタリアも親切とは言えないし。

トロント映画祭についてWEBRONZAに書いた文章が昨日アップされたので、ご一読を。

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