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2013年9月 9日 (月)

ソダバーグ、監督やめるってよ

最近、監督をやめるのが流行っているらしい。宮崎駿に続いて、ツァイ・ミンリャンが監督をやめるとベネチアで発表してしまった。宮崎は72歳だが、ツァイは56歳でまだ若い。やめるといえば、スティーブン・ソダバーグ(50)は2年くらい前からやめると繰り返している。

彼の最後の映画になりそうな『サイド・エフェクト』を劇場で見た。この間『マジック・マイク』を見たばかりだが、今度も見ごたえがあった。

夫を殺してしまう精神病患者と精神科医を主人公にした話だが、誰が悪者かわからず、最後の最後までハラハラさせられて、どんでん返しが待っていた。題名の「サイド・エフェクト」は、副作用の意味で、向精神薬に伴う副作用の有無がこのドラマの決定的な鍵を握る。

精神科医役のジュード・ロウがいい。患者役のルーニー・マーラははまり過ぎなくらい病的だし、かつて彼女を担当していた女医のキャサリーン・ゼタ=ジョーンズはクールで毒がある。彼らの表情がアップで写り、無数の薬のショットが挟み込まれるだけで、ぞくぞくしてくる。

それにしても、登場人物の多くは薬か株に係わって生きている。これがアメリカ社会というのかわからないが、見ていて健康そうな人がほとんど出てこない、陰鬱な映画だ。

パンフレットによれば、ソダバーグはこの映画以降の作品としては、テレビ用映画をあと2本作っている。彼のようにどんなテーマでもプロの醍醐味を感じさせる監督はまだまだ続けて欲しいのだが、その器用さが自分で嫌になっているのかもしれない。

個人的に一番やって欲しくないのは、アート分野で映像作品を発表することだが、彼のテクニックを以ってすれば、すぐにベネチア・ビエンナーレの金獅子賞くらい取るだろう。

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