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2013年9月16日 (月)

何とも不思議なトロント国際映画祭:その(4)

昨日の続きから。ワイズマンの「バークレーにて」は、カリフォルニア大学バークレー校を撮ったドキュメンタリー。最初、At BerkleyをAt Bakeryと勘違いしてパン屋の映画かと思っていたら、全く違っていた。

もちろんパン屋でもワイズマンならそのすべてを見せただろうが、この映画は世界的な一流大学をあらゆる角度から見せる。さまざまな授業、教授会、大学事務局との会議、市や州との交渉などなど。実は244分の大作で、『クレイジー・ホース』などと違って大半がセリフ劇なので、字幕ナシは辛くて途中で出でしまった。

字幕が付いたら、現代の大学とは何かを考える最高の映像になる気がする。教師が学生と真剣に議論する授業のシーンだけでも、私はかなり考えさせられた。

次はホン・サンス監督の「われらのスンニ」。かつて大学の映画学科から突然いなくなったスンニという女性が突然戻ってくる。海外に留学するために教授の推薦状をもらいに来たという。彼女は映画を1本撮った元カレや教授、そしてその友人に再会するが、みんな彼女に夢中になってしまう。

もちろんホン・サンスだから酒を飲むうちに仲が良くなるわけだが、それぞれの酒のシーンを固定カメラでえんえんと撮る。男たちは酔うとみんなだらしなく、スンニに魅了される。それだけの話だが、3人が全く違うようで実は同じような反応をするのがおかしく、ラストに3人で集まるシーンには笑ってしまった。『3人のアンヌ』のような衝撃はないけれど。これは一般上映だったが、観客の半分近くは住んでいる韓国人だった。

一般上映で1本くらい日本映画を見ておこうと、今月28日公開の園子温監督『地獄でなぜ悪い』を見た。これは「深夜の狂気」という枠で上映されたが、そのセレクションをしているコリン・ゲデスが初めに挨拶。まるでかつての東京ファンタスティック映画祭のKさんのようなノリで、観客もそれに応えていた。

映画は、ヤクザ映画へのオマージュと若者の映画愛を混ぜこぜにしてB級に仕立て上げたもので、個人的には『冷たい熱帯魚』以来の傑作だと思った。上映中に観客が拍手をしたり笑ったりとずいぶん盛り上がっていたので、その影響を受けたのかもしれないが。

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