本当のことを言おうか:眉毛を抜いた話
個人的にご存知の方には言うまでもないが、私は眉毛が濃い。大学では「まゆゆ先生」と呼ばれているくらいだ(嘘)。放っておくとどんどん伸びるので、散髪の時に薄くしてもらったりするが、それでもすぐにびっしりと生えてくる。先日、それを抜いてもらう機会があった。
いわゆる眉毛専門のエステに行ったのである。卒業生が転職して勤め始めたらしく、連絡があった。眉毛と言えば、すぐに先生を思い出しましたと。学校の教師は大変だ。教え子に頼まれて、弁士のデビュー公演に行ったり、見たくない映画の試写に出かけたりするが、まさか眉毛抜きとは。
最近は男性でも眉の手入れをする人が多いらしい。特に30代や40代の普通のサラリーマンが結構来ていると聞いて、おそるおそる銀座の雑居ビルにあるMへ出かけて行った。待つこと数分、自分の番が来た。
「初めてなので、できるだけ自然に」と震えるような声で言う。まず、眉毛に肌色を塗って、「こんな感じになります」と。私は「これじゃ、たけちゃんマンじゃないですか」と言ったが、「大丈夫です」。
眉毛にワックスを塗ると火照る感じだが、そこにテープのようなものを貼ってびりっと剥ぐ。すると、軽い痛みが走る。それを上下左右やって終わったかと思ったら、「これから1本、1本抜きます」。これが毎回ピリッと痛い。いつの間にか涙が出たり、膝がギクッと動いたり。
それから鏡で進行を見せてもらって、それから仕上げ。またピリッ、ピリッと続く。何だか感覚が無くなってゆき、むしろ気持ちのいいような気分になったところで、終わり。後は抜いたところに薬を塗ったりして、全体で1時間くらい。
お代は5千円。自分で鏡で見ると、我ながらちょっといい男になった感じだ。ところが翌日大学に行っても誰も気づいてくれなかった。世の中はそんなものである。さてこれで5千円は高いかどうか。最初は月に1度来て、しばらくしたら3カ月に1回でいいとのことだが。飲み代と比べたら安いが。世の中にはいろいろな仕事があるものだと感心した。
このブログが出る頃はもう海外にいるので、誰にも気づかれまい。
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