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2013年9月28日 (土)

日本人の個展2つ

展覧会は、とにかく個展が好きだ。大きな美術館で1人の美術作家のいろいろな作品を見ると、一つの世界が浮かび上がってくる。この夏に見た日本人の個展は「福田美蘭」展(東京都美術館で明日まで)と「大竹伸朗 憶速」展(高松市美術館で9/1に終了)。

かつては若手作家だった2人とも、はや50代。自分と同世代で1980年代から知っているので、それからどうなったかは、やはり気になる。

福田美蘭は、ある意味では、その能天気ぶりがさらにあらわになった感じか。とにかく美術史を題材に、茶化したような今風の絵を描く。日本だと浮世絵から風神雷神図、安井曽太郎など、西洋だとベラスケス、ラファエロ、カラヴァッジョなどなんでもあり。

その茶化し方が、例えば森村泰昌のような大胆で人を食ったような風刺ではなく、まじめな美術学生がきちんと模写したうえに、ちょっとふざけてみました、という品のいい感じ。だから、どんなに絵画を冷蔵庫の中に入れても、絵の前に扉をつけても、あくまで呑気な遊びにしか見えない。

9.11や東北大震災に題材を取っても、その安易さと穏便さは変わらない。今回70点ほどを見て、それがよくわかった。東京都美術館はリニューアルして、画壇の団体展と新聞社の大型展に加えて、美術館の自主企画を始めた。その最初の個展が福田美蘭で良かったのだろうか。同じ都の施設で東京都現代美術館があるのだから、上野の都美はあくまで貸館で良かったのではと思ってしまう。

大竹伸朗は、2006年に東京都現代美術館の3フロアを使った巨大な個展を見た後は、その生命力というかやりたい放題ぶりにウンザリして、見る気がしなくなった。今回高松で見たのは、空いた時間に雨が降ったので、タクシーを飛ばして見に行った。

今回もやはり落書きからガラクタまで、その創作力の赴くままのやりたい放題ぶりは健在。これがどうして作品なのというような手帳まで何でも展示してある。それでも福田美蘭のお行儀の良さとは対照的で、痛快な気分になる。大竹の作品は、数年に1回は見たいと思った。

それにしても、30年も美術の創作を続けるのは、どんなものだろうか。楽しいようなつらいような。映画と違って、基本的に1人の作業だし。

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