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2013年10月28日 (月)

『人類資金』にがっかり

なぜか、阪本順治監督の『人類資金』には期待していた。丸の内ピカデリーや新宿ピカデリーで、3カ月以上前から派手な予告編を見続けたこともある。あるいはM資金のような詐欺師の話に個人的に惹かれるせいかもしない。

それ以上に阪本監督は、『KT』や『亡国のイージス』、『闇の子供たち』がそうであったように、陰謀をアクションとからめて映画にすることがうまいので、彼ならばM資金の話を日本の戦後史と共に描いてくれるのではないかと思った。

映画を見ながら、隔靴掻痒の思いが高まった。そもそもM資金はあるのかないのか。これをもう少し目に見える形にして欲しかった。それから、ロシアのヘッジファンド騒動と、カペラという仮想のアジアの国でPDAを配る話と、ヴィンセント・ギャロ演じるM資金を握る男とのやりとりと、国連での石(森山未来)の演説シーンなどが、いまひとつうまく組み合わさっていない。

それでもそれぞれのシーンは良かった。とりわけ森山未来の英語の演説シーンは、各国代表の何百人という人々を巻き込んだ形で、息を飲むほど迫力があった。もともと予告編でこのシーンが使われていたので、私はもっと国連のシーンがあるのかと思っていたが、終盤の10分ほどだった。

日本語がすこしおかしい謎の青年を演じる森山未来を始めとして、金融詐欺師役の佐藤浩市、Mを名乗る御曹司を演じる香取慎吾、ロシアのファンドマネージャ役のオダギリジョーなど、俳優の統率は絶妙だ。彼らの激しいやりとりを、笠松則道のキャメラがなめらかにとらえてゆく。見終わって全体の展開にがっかりしながらも、見ごたえを感じたのも事実だ。

今回見たのは新宿ピカデリーだが、ここは本当にいらいらする。10分前にしか入れてくれないので、席が決まっているのに列を作って待つことになる。多くはポップコーンなどのトレイを持って並んでいるので、まるで学食みたいだ。並ぶのが嫌だからと横で待っていると、それから長いエスカレーターがあるので、間に合わなくなってしまう。

そのうえ、2台しかないエレベーターのうち1台しか動かしていない。それでも文句を言うのは私くらいで、みんなは従順に並んでいる。私には、できたら行きたくない劇場ナンバーワンだが。

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