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2013年10月17日 (木)

『エリジウム』に失望

東京国際映画祭前に一番見たかったのが、実は『エリジウム』。予告編を見てから、ずっと楽しみにしていた。何といっても、あの衝撃的な『第9地区』のニール・ブロンカンプ監督の新作。そのうえ、「エリジウム」という題名にも惹かれた。

1990年代初頭、携帯電話が出始めで大きかった頃、世界中どんなところでも使える超高級携帯として「イリジウム」というのがあったが、その響きがある。あの時のSF的な駅貼り広告はよく覚えている。今ではどの携帯でも海外で使えるけれど。

テーマが、未来社会で地球が廃墟同然になり、金持ちは人工的に作られた衛星に移り住むというのもいい。私は『メトロポリス』以来、『猿の惑星』や『ブレードランナー』など、とんでもない場所になったとなった未来の地球を見るのが大好きだし、そこに大半の貧しい者が暮らし、少数の金持ちが別世界に住むという構造もワンパターンだが、なぜか心躍る。

だから最初、貧民街の街並みが現れてきた時は嬉しかった。さすが『第9地区』の監督で、全体の匂うような汚さといい、無数の人々が群れ集う混沌という、何ともいい感じ。一方金持ちの住むエリジウムも悪くない。こちらは絵に描いたような白人中心のクリーンな世界。

ところが話がつまらない。マット・デイモン演じる男が工場の事故で放射線を浴びてしまい、治療のためにイリジウムに行こうとする展開だが、いつのまにか彼が世界を相手に1人で戦うアクション・ヒーローものになってしまった。

少年時代好きだった女性との恋愛も、ジョディ―・フォスター演じるエリジウムの防衛長官(カッコいい)との対決もピンと来ない。後半はひたすらアクションのみで退屈した。

どうでもいいが興味深かったのは、地球ではみんなが話すのはスペイン語、エリジウムではフランス語ということ。もう一つはクレジットでわかったが、地球はメキシコで、エリジウムはカナダで撮影されたということだ。ちょうどカナダとアルゼンチンに行ったばかりの私は、妙に納得した。

さて今日からは東京国際映画祭。仕事の合間に可能な限り見るつもりだが、どうも今年はさらにショボイ感じがする。

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