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2013年10月24日 (木)

東京国際映画祭は変わったのか:その(7)

先日この映画祭のコンペはセンスが欠けた作品が多いと書いたが、昨日見たコンペ2本はその意味で悪くなかった。いわゆる映画的センスが感じられたのは、グルジアのレヴァン・コグアシュビリ監督の長編第2作『ブラインド・デート』。

40代の独身男の恋愛を巡る話を、抜群の物語構成と静かなユーモアで見せてゆく。主人公サンドロのやる気のなさそうな佇まいがいい。ネットで知り合った女性とホテルの一室に行くが、静かに話すだけ。マナナに出会った時の、海岸でビニール袋をかぶって大風をしのぐシーンのおかしさ。

マナナとうまくいくかと思うが、彼女の夫は刑務所から出所してくる。偶然その運転手を務めることになったサンドラは、夫のせいでどんどんトラブルに巻き込まれてゆく。それでもサンドラはほとんど表情を変えず、すべてを眺めている。作風には、同じグルジア出身のイオセリアーニの映画にも似たユーモアや雰囲気が感じられる。この監督は今後相当の注目株だろう。

『ドリンキング・バディーズ』は、アメリカのジョー・スワンバーグ監督作品で、4人の男女がビールを飲みながら、好きだ嫌いだとしゃべり尽くす映画。『ブラインド・デート』の静かな画面を楽しんだ後だったので、その会話が煩わしかったが、ドキュメンタリータッチの演出力は相当のものだ。

主人公たちがビール会社に勤めているとはいえ、とにかくいつもビールばかり飲んでいるのがおかしかった。普通に日比谷のシャンテあたりでやってもウケそうな映画で、これが国際映画祭のコンペ作品かなとも思った。

それにしても『ドリンキング・バディーズ』、『ブラインド・デート』、『レッド・ファミリー』、『ハッピー・イヤーズ』、『ラブ・イズ・パーフェクト・クライム』などコンペだけ見ても、舌を噛みそうなカタカナ題名ばかり。配給ではないから、もっと自然に日本語に直したらどうだろう。

『飲み友だち』『秘密の出会い』『赤い家族』『幸せな日々』『愛は完全犯罪』でどうだろう。日本の映画祭なのだから、日本語で行こう。

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