メニュー偽装に思う
この数週間、メニュー偽装のニュースがすごい。22日朝刊各紙に阪急・阪神ホテルズのメニュー偽装問題が載ったと思ったら、ほかのホテルに及び、最近は百貨店も軒並み「ウチもやりました」と発表している。これらのニュースを見ながら、みんな意外に醒めているのではないだろうか。
怒っている(あるいはそのふりをしている)のはマスコミやテレビのコメンテイターか消費者団体だけで、普通の人は「ああそうか」じゃないのかな。そんなことはよくあるというか。つまり、ある女性を好きになったが、つきあってスッピンで見たらそんなにかわいくなかったとか。違うか。
そうでなくても、世の中にはあらゆる商品がデザインとキャッチコピーで売られている。とろける味のチョコレートでも、絶対泣ける映画でも、東大に通る予備校でも何でもいいが、現代の資本主義はそうしたまやかしや騙しによって動いている。そういう時代に生きるわれわれは、そういう広告やコピーを楽しむしかない。
芝エビがより安価なバナメイエビだからといっても、気づかずにおいしく食べたら別に問題はないだろう。大事なのは、むしろどう調理したかだ。それがおいしかったか、もっと言えばその場を楽しんだかだ。
そもそも外食とは半分は雰囲気を楽しむもの。自分で作らずに、あれを持ってこいこれを持ってこいと小金を使って一瞬だけ王様になれるから嬉しい。料理なんて食べてしまえば残らない。残るのは楽しかったという思い出くらい。
ホテルや百貨店内の店は、そもそも気軽な定食屋や居酒屋と、ミシュランガイドなどに載るようないわゆる高級店の中間地点にある。そこそこ上等で、そこそこ威張れる。そういう中間の店なら、それに見合った原価計算をしているだけのこと。
だから一流ホテルともあろうものが、大手百貨店ともあろうものがという報道の論調の方がむしろ偽善に見えてくる。いかにも新聞が好きそうなインチキ正義感というか。
もっと不思議なのは今回の報道が内部告発ではなく、阪急阪神ホテルズの時から内部調査の結果を正直に発表したものであるということだ。これまた馬鹿正直で、同時に偽善にさえ見える。頭を下げる社長たちも。
実はこのことはWEBRONZAに先日書いたが、もっと本音を書きたくて書いた次第。
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