« 藤圭子の息吹き | トップページ | 久しぶりのモーツァルト生演奏 »

2013年12月 5日 (木)

ゴッホもモンドリアンも分割主義

私はここで美術展についてよく書くし、短い間だが新聞にさえ美術記事を書いていたこともある。その前は長い間、美術展の企画を仕事としていた。しかし白状すると、一度もきちんと美術史を勉強したことはない。

だから多くの美術展を見ても、まだまだ知らないことが多い。国立新美術館で12月23日まで開催の「印象派を超えて 点描の画家たち」展を見ながら、そんなことを思った。

副題は「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に」でキャッチが「ゴッホと色彩の旅へ」なので、例の「○○美術館展」で、ゴッホを中心とした新印象派の画家たちの絵が並ぶのだろうと思っていた。

まず入口に英語でDIVISIONISMと書かれていて、「?」。よく見るとこれが展覧会の英語題で邦訳は「分割主義」。ちなみに英語の副題はfrom Van Gogh and Seurat to Mondorian。私は実は「分割主義」という言葉を知らなかった。

普通、印象派の後に出てきた「点描の画家」として知られるスーラやシニャックの技法を、美術史では「分割主義」というらしい。いくつもの色に分割して点で描くからなのだろうが、この用語は私は初めて。展覧会はまずこの2人の画家を紹介し、その影響を受けたヴァン・ゴッホの絵が並ぶ。

それから「ベルギーとオランダの分割主義」として、テオ・ファン・レイセルベルヘやヤン・トーロップといった私が知らない画家の絵がたくさん出ていた。展覧会全体から見ると、このセクションが一番ボリュームがある。19世紀末や20世紀初頭に、ベルギーやオランダでこんなに点描が流行していたとは。

そして最後にピエト・モンドリアンの絵が8点出てくる。確かに20世紀初頭の彼の絵は点描だが、赤や青の鮮やかな構成の絵が点描の「究極の帰結」(このセクションの題名)とは。

点描の後にゴッホ、そしてその帰結としてのモンドリアン。あるいは中間にあるベルギーやオランダの画家たち。フランスを中心に考えていると見えてこない、北の画家たちの流れがわかっておもしろかった。

出品作品はオランダのクレラー=ミューラー所蔵作品に国内のスーラやシニャックを加えたもの。安易な企画ではあるが、私にとっては学ぶところがあった。最後にモンドリアンを数点見たら、彼の個展が見たくなった。オランダ出張の時、ハーグ市立美術館で個展を見たのは、1990年頃か。

この展覧会は来年、広島と名古屋に巡回。

|

« 藤圭子の息吹き | トップページ | 久しぶりのモーツァルト生演奏 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/58700232

この記事へのトラックバック一覧です: ゴッホもモンドリアンも分割主義:

« 藤圭子の息吹き | トップページ | 久しぶりのモーツァルト生演奏 »