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2013年12月27日 (金)

『スノーピアサー』の怪力ぶり

韓国のポン・ジュノが、クリス・エヴァンスやティルダ・スウィントン、ジョン・ハート、エド・ハリスといった有名俳優たちを使い、英語で撮った映画『スノーピアサー』を見た。2月7日公開の映画だが、その演出の怪力ぶりに驚いた。

ぽれ実はハリウッド映画だと思っていたら、韓国が中心になってアメリカやフランスが製作参加した映画のようだ。ソン・ガンホが重要な役割を果たすし、その娘との会話を始めとして、韓国語も多い。

物語は、地球温暖化を防ごうとして撒かれた冷却剤によって地球が氷河期になり、17年後に唯一列車「スノーピアサー」に乗った観客だけが生き残っているという設定。列車の中で最後列車両に隔離された貧民層が、ある日反乱を起こす。

ほとんど列車内しか写らないが、そのセットが見事。後方の監獄車両もすごいが、前方の水族館や植物園、小学校、ヘアサロン、寿司屋、クラブなどが並ぶ富裕層向けの車両の豪華さに息を飲む。

「総理」役のティルダ・スウィントンは頭の悪い小学校の先生みたいで本当におかしいし、スノーピアサーの創造者、ウィルフォードを演じるエド・ハリスは、何を考えているのかわからないクールさを見せる。

そこに立ち向かうのがクリス・エヴァンス演じるカーティス。彼を助けるナムグンソン・ガンホは、列車間の扉を開けられる唯一の男だが、娘同様、ドラッグ中毒だ。バイオレンスの連続の中をカーティスは突き進み、とうとうウィルフォードのいる車両に達する。

見ていてどっと疲れた。その割には何か足りない気もした。そもそもの設定に無理があるからか。あるいは強烈な映像をたくさん見せながらカーティスが戦ってゆくのに、そのさまがどこか哲学的で、最終的なカタルシスが感じられないためか。全く退屈せずに最後まで楽しんだけれど。

それにしても、外国の俳優を使ってこれだけの映像を作り上げる韓国の監督はすごい。『イノセント・ガーデン』のパク・チャヌク監督もそうだが、彼らはこれから我も我もと海外で活躍するだろう。残念ながら、日本は国内市場が大きいこともあってか、そんなチャレンジをする監督は見あたらない。

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