正月に考えること
このブログを始めて、もうすぐ5年が過ぎる。ということは、大学に移ってそれだけの年月がたったということで、驚いてしまう。この5年で変わったことと言えば、前より気分的に自由になったことかもしれない。
バブル期の西武百貨店の広告に「ほしいものが、ほしいわ。」というコピーがあったけれど、最近の自分はどんどん好きな方向に行っている気がする。好きな映画を好きだと言い、うまいものをうまいと言う。当たり前のことだが、私にはこれが長い間難しかった。
一方では大学の教師をやっているので、「好きなものばかりではなく、これも見なさい、あれも読みなさい」という立場にある。何でも知っている顔をして、学生が知らないそうな映画を見せたり、解説したりする。全くウケない場合もあるが、いつの間にか学生が夢中になって「自分の好きなもの」に加えてゆくのを見るのは楽しい。
前置きはこのくらいで、そろそろ本当のことを言おうか。私は正月が嫌いだ。正確に言うと、正月にまつわるものがおおむね苦手だ。無駄にぶ厚い新聞、紅白歌合戦を始めとするわざとらしいテレビ番組、正月前の混むスーパーやデパート、初詣のために神社に長い列を作る人々、会いたくない親戚など。
それでも長い休みはいい。テレビをつけず、神社に行かなければ。静かに散歩をして本を読み、酒を飲むのに正月はいい。いつも天気がいいし。
正月より嫌いなものはクリスマスで、これは絶望的。クリスマスケーキに並んでいる人々を見ると、テロリストになって爆弾を仕掛けたくなる。イリュミネーションを見ると、「こんな無駄をするから原発がいるのだ」とハサミを持って端から電線を切りたくなる。
要するに年中行事を商売にする人々やそれに操られる人々が嫌なのかもしれない。それでは単なるへそ曲がりか。
正月からつまらないボヤキですみません。今年もよろしく。
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