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2014年2月25日 (火)

六本木で見る大阪のコレクション2つ

現在、六本木の美術館2つで、大阪から来たコレクションが公開されている。1つは3月16日までサントリー美術館で開かれている「伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器」展、もう1つは6月9日まで国立新美術館で開催中の「イメージの力」展。 

「伊万里」展は、大半が大阪市立東洋陶磁美術館の所蔵作品からなる。「イメージの力」は、展示品すべてが大阪の国立民族博物館のもの。どちらも日本では他に類を見ないコレクションだ。

「伊万里」展は、17世紀から18世紀にかけて作られた輸出用伊万里を中心に展示している。17世紀半ばに中国が明朝から清朝に代わり、それまで欧州に売られてきた景徳鎮の輸出が止まったため、オランダ東インド会社は伊万里に目をつけた。

だから伊万里といっても最初は中国風の図柄が多い。全く同じ図柄なのに微妙に違う景徳鎮と伊万里が並んでいたりする。あるいは17世紀後半になると伊万里を真似たデルフトやマイセンの磁器もある。景徳鎮の輸出が復活すると、伊万里を真似たチャイニーズ・イマリも生まれている。異文化間の売買と模倣のドラマがすごい。

それらは、ヨーロッパの宮殿や大邸宅に並べられていた。ウィーンの宮殿にずらりと大ぶりの伊万里が何百と並んだ実物大の写真は圧巻だった。磁器のレベルでは、中国趣味や日本趣味は17世紀にすでに欧州に広がっていたのだと実感。

それから新美に行って「イメージの力」展の会場に入ったら、入口に世界各地の仮面が天井まで並んでいて脱力してしまった。異文化間の模倣などというレベルではない。世界のどこでも仮面を作っているのだから。時代も地域もすべて取っ払って並んでいて、頭がくらくらした。

大阪万博後の国立民族学博物館(いわゆる「みんぱく」)は、30年近く前に一度行ったきりだ。時代も地域も関係なく、形や色、デザインのおもしろさで並べた展示にどこか植民地主義的なものを感じた記憶があるが、今度見てみるとそれが逆におもしろい。こちらの展覧会については後日きちんと書きたい。

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