« 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の反社会性を楽しむ | トップページ | つらい2月と3月 »

2014年2月 4日 (火)

『8月の家族たち』の描く親戚の集まり

いかにもアカデミー賞にぴったりの映画を見た。4月18日公開のジョン・ウェルズ監督『8月の家族たち』で、主演女優賞にメリル・ストリープが、助演女優賞にジュリア・ロバーツがノミネートされている。そのほかにも、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、サム・シェパードと豪華キャストが占める。

父(サム・シェパード)が失踪して死んだとわかり、葬儀のためにメリル・ストロープ演じる母のもとに親戚が集まってくる。母の妹とその夫(クリス・クーパー)と息子(ベネディクト・カンバーバッチ)、長女(ジュリア・ロバーツ)とその夫(ユアン・マクレガー)と娘、次女、三女とその恋人。

薬物摂取過多でハイになっている母親の暴言に始まって、みんなが勝手放題にけなし合う。そのうち、まさかという秘密がいくつも露呈されて、集まりは泥沼に陥ってゆく。

やはり、メリル・ストリープがすごい。白塗りのメイクに短い白髪にかつらで、老女の醜さを見せつけながら、まわりの全員に対して悪態をつく。負けていないのがジュリア・ロバーツで、夫は浮気し、娘は非行に走っても懸命に生きる女をノーメイクで演じ、母と競って家族を仕切ろうとする。

もともとこの2人は、いわゆる美人というのとちょっと違う「演技派」だ。彼らがコテコテにやりあうのを見ていて、私はちょっと辛くなった。どうしても自分の九州の田舎を思い出すからだ。

映画の舞台は、オクラホマ州の片田舎の8月。本当にまわりには何もない。そしてとにかく暑く、みんな汗を拭いている。確か、午後2時半過ぎで42度という温度計があった。

私の田舎はそこまで暑くないが、4人の姉がいて、彼らがそれぞれのダンナとを連れてきて話し出すと、ちょっと似た感じになる。最近の不満をぶちまけたり、昔の話になったり、ぐちゅぐちゃ。幸いにして私の母はメリル・ストリープではないので、「やかましかー」と別に部屋に行ってしまうが。

この映画は、もともと人気の芝居だったという。ほとんど部屋の中の会話というか、怒鳴り合いばかり。だからこそ演技派たちの活躍が堪能できるし、そこから人間の真実が見えてくるのだけれど、個人的には2時間の上映時間が長く感じた。アカデミー賞映画にありがちな、「やっぱり家族が一番」ではなかったのは良かったが。

|

« 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の反社会性を楽しむ | トップページ | つらい2月と3月 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/59065579

この記事へのトラックバック一覧です: 『8月の家族たち』の描く親戚の集まり:

« 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の反社会性を楽しむ | トップページ | つらい2月と3月 »