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2014年2月15日 (土)

『アメリカン・ハッスル』の妙な魅力

夕方に時間が空いたので、無料ポイントがたまったシネコンで『アメリカン・ハッスル』を見た。『ザ・ファイター』と『世界にひとつのプレイバック』を作ったデヴィッド・O・ラッセル監督の新作で、今度はアカデミー賞最多10部門ノミネートという。

正直に言うと、前の2作品ともよく作り込んでいる点は評価するが、あまり好きではなかった。今回は詐欺師たちの映画と言うので期待していたが、やはりその印象は変わらなかった。

今回の作り込みは「70年代調の怪しげな人々」。冒頭、ハゲの男が必死でかつらをつけて一九分けをするシーンがある。あまりにもダサい感じで、まさかクリスチャン・ベイルとはわからなかった。その愛人役のエイミー・アダムスのセクシーなドレスもどこかダサい。

詐欺師アーヴィンと組んでおとり捜査を仕掛けるFBI捜査官のリッチー・ディマーゾのパンチパーマもあの時代らしい。彼が朝カールを巻きつけているシーンまで出る。この3人が詐欺の中心だが、さらに下品な感じの2人が加わる。詐欺師の妻を演じるジェニファー・ローレンスは派手で欲望丸出し。汚職市長役のジェレミー・レナーは、何とリーゼント・ヘア!

この5人全員がアカデミー賞の主演・助演にノミネートという。彼らのおもしろさは、私も含めて日本人にはなかなか伝わらないかもしれない。映画で流れる70年代のアメリカのポップスの数々も含めて、懐かしい感じがいま一つピンと来ない。

そして誰が味方か敵かよくわからないまま、視点もあちこちに揺れながらも、過剰なノリで進む。最初は当惑したが、途中からだんだんおもしろくなった。とりわけマフィアのボス役で、ロバート・デ・ニーロが突然現れた時にはゾクゾクした。この人には『ゴッド・ファーザー』の昔から、マフィアそのものの匂いがある。彼がアラビア語を操った瞬間といったら。

いい感じのデ・ニーロを見るだけで、見てよかったと思った。


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話題のド真ん中にいる今作。 先日のゴールデン・グローブ賞で、作品賞、主演女優賞(アダムス)、助演女優賞(ローレンス)を受賞。 アカデミー賞では最多10部門にノミニー、それらは以下の部門。 (作品賞、監督賞、主演男・女優賞、助演男・女優賞、最優秀脚本賞、...... [続きを読む]

受信: 2014年2月17日 (月) 21時19分

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