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2014年2月12日 (水)

フランスは日本映画ブームか

仏誌『カイエ・デュ・シネマ』の2月号をめくっていたら、フィルムセンターで開催中の展覧会「小津安二郎の図像学」の紹介が出てきて、驚いた。“IconOzu”と題して、展示物の写真を中心とした構成で、7ページもある。

12月12日に東京で始まった展覧会が、フランスの映画雑誌の1月に出る号に載るとは、世界も狭くなったものだ。展覧会を論じたものではなく展示物の写真の紹介だが、これを見たフランスの(そして世界の)映画ファンが、フィルムセンターに来るのではないかな。

特集の冒頭には、研究員の岡田秀則、佐崎順昭両氏の短い文章があり、各写真に彼らの解説がある。ここに展覧会場の写真が1枚あればなお良かったけれど。それでもシンプルなページが美しく、また見たくなった。この展覧会は3月30日までなので、日本人も必見。

この展覧会は、是非パリのシネマテークの展示室でやったらいい。あの展示室はフィルムセンターの2倍はあるので、「図像学」にプラスして、これまで見せた遺品とか写真などを加えたら十分に魅力的なものになるだろう。

そう思ったら、その次のページには役所広司のインタビューもあった。「現代日本映画の鍵となる俳優との出会い」と題して、全5ページ。確かに彼は今村昌平の『うなぎ』(97)に始まって、『CURE』(97)『カリスマ』(99)から『トウキョウソナタ』(09)に至る黒沢清作品、そして青山真治の『ユリイカ』(00)、最近では三池崇史の『13人の刺客』(10)や『一命』(11)など、フランスで公開される日本映画のほとんどに出ている。

その終わりのページの片側には、パリ日本文化会館で1月から3月まで開催中の大映特集の1ページ広告があった。何となく『カイエ』誌を乗っ取った感じだ。

そういえば、先月のこの雑誌の表紙は『風立ちぬ』で、冒頭に15ページほどの特集があった。私の知る限り、日本映画がこの雑誌の表紙になったのは、この20年はない。

「クールジャパン」とか言わなくても、こうして日本映画は自然に広がっているのだと思った。むろんフランスは世界で一番日本映画が好きな変わった国だし、『カイエ』はマニアックな雑誌だけど。それでも世界の映画ファンに与える影響は大きい。

個人的には、『かぐや姫の物語』がもっと世界に出て欲しい。最近見た映画だと井口奈美監督の『ニシノユキヒコの愛と冒険』は、絶対にフランスで高い評価を得ると思うが。

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