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2014年2月28日 (金)

モネを見ながら考える

国立西洋美術館で3月9日まで開催のモネ展を見た。最初は「国立西洋美術館×ポーラ美術館」と書かれていたので、国内の2館から集めた手抜き企画だと思って馬鹿にしていた。「19世紀フランス風景画の革新」ともあるので、ほかの画家も混ぜているなとも思ったし。

ところが意外に広報にお金をかけているのか、睡蓮のポスターをよく見た。何度もポスターを見ているうちに、行きたくなった。

モネと言えば、2007年に国立新美術館で開かれたモネ展は、オルセーを始めとして内外から100点ほどのモネを集めたものだった。それに比べたら今回は2館から集めた36点のみ。

ところがこれが意外におもしろかった。もちろん積み藁の油彩は1点しかないし、夕暮れの靄のかかった橋も、睡蓮も数点でもの足りない。その分、近くに並べてあるほかの画家の作品との比較が楽しかった。

例えばクールベやコローのような印象派以前に画家たちも、並べてみるとモネ的な要素が見えてくる。あるいはゴッホやセザンヌなどのポスト印象派の画家たちも、類似点とタッチの違いが明らかになる。

展覧会はフレーミングとか光とか反復とか抽象的なテーマに分かれているが、2つの館の所蔵品を熟知して考えに考えて選ばれているように思えた。19世紀後半のフランス絵画のめざしたものが、浮かび上がってくる。

国立西洋美術館のモネはもちろん松方幸次郎のコレクションが元となっているが、彼の旧蔵作品で最も有名な作品十数点はいまだにオルセー美術館にあるはずだ。ゴッホの《アルルの寝室》などがあるはずだが、あれはもう返してもらえないのだろうか。

そういえば、この展覧会にはシャヴァンヌの絵も1点あった。文化村ザ・ミュージアムで3月9日まで開催中の「シャヴァンヌ展」も見たが、印象は薄かった。モネと同時代のはずだが、神話を中心に描くアカデミックな感じだ。それでも彼はナビ派などにもつながってゆく。この画家が黒田清輝など日本の洋画家に大きな影響を与えたとは知らなかった。

文化村では「ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ」、西美では「ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ」。果たしてPuvisのsは発音すべきかどうか。そんなくだらないことも考えた。

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