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2014年3月19日 (水)

美しい海の映画2本

私は昔から海を見るとやる気がなくなる。そのせいか、最近見た美しい海が出る2本の映画に、どこか乗れなかった。5月31日公開のフランス=オーストラリア合作『美しい絵の崩壊』と、現在公開中の邦画『魔女の宅急便』。

『美しい絵の崩壊』はフランスのアンヌ・フォンテーヌ監督が、オーストラリアで撮った。邦題は大げさだが、原題はTwo Mothers。少女時代から仲のいいリル(ナオミ・ワッツ)とロズ(ロビン・ライト)が、結婚後も近くに住んでいて、息子同士も仲がいい。リルは夫を亡くし、ロズの夫は仕事で家を離れてしまう。

そこで女達は、それぞれ友人の息子と恋に落ちてしまう。いろいろあって2年後に息子たちは同世代の相手と結婚するが、そこにかつての愛が蘇るという筋書き。

リルはヨットの店を経営し、ロズは画廊を開いていて、2人とも海に面した高台の大きな家に住む。息子たちは何不自由なく暮らして遊んでばかりいるが、2年後にはちゃんと仕事に就いている。

そんななかでの母親の友人とのダブルの恋愛劇は、どこかフランスのよくある恋愛映画のように抽象的に思えた。原作は英国の作家、ドリス・レッシングなのだけれど。

一昨年の秋に初めてオーストラリアに行った時、シドニーに住む日本人の友人から、資源が豊かなので全体があまり働かなくても食っていける国だと聞いたことがある。あまりに幸せな女たちとその息子たちを見ながら、その言葉を思い出した。

撮影は丁寧だし、シナリオもよく練られている。2人の女優の演技も自然でいい。女性を中心に、好きな人は好きだろう。しかし私の心の奥には届かなかった。

同じように『魔女の宅急便』もまた、私には遠いドラマに思えた。別に宮崎版のアニメに特に思い入れがあるわけではない。しかしキキ役の小芝風花の素朴な演技と、それ以上にぎこちないワイヤーを使った空飛ぶシーンに引いてしまった。

美しい瀬戸内海の島々を空撮した映像が何度も出てくる。キキが修行で1年暮らす街は、どこか無国籍風で可愛らしい。しかし母親の宮沢りえもキキが暮らすパン屋の尾野真千子も含めて、私には絵空事に見えてしょうがなかった。こちらは読売や毎日で絶賛していたはずだが。いずれにしても、美しい海の出る映画は苦手だ。

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